ジャンル 文学の心

早稲田校

『枕草子』を読む 日記的章段―中宮定子一族没落後の記事

  • 秋講座

田畑 千恵子(元早稲田大学講師)

曜日 火曜日
時間 10:40~12:10
日程 全10回 ・10月01日 ~ 12月03日
(日程詳細)
10/01, 10/08, 10/15, 10/22, 10/29, 11/05, 11/12, 11/19, 11/26, 12/03
コード 130111
定員 30名
単位数 2
会員価格 受講料 ¥ 29,700
ビジター価格 受講料 ¥ 34,155

目標

・『枕草子』の本文を読み味わうとともに、作品の本質について理解を深める。
・平安時代中期の宮廷・上流貴族社会の様相を知る。
・歴史物語など他作品に登場する人物の逸話を知る。

講義概要

今回の講座では、日記的章段の中から中宮定子一族没落後を描いた章段を取り上げます。『枕草子』の中でも著名な「雪山」をめぐる賭け・ほととぎす探訪・「翁丸」という犬の話など、これらの章段は、明るい印象とは裏腹に、全て定子一族没落後の記事です。主家繁栄の様相を女房の立場から書き記す日記的章段にあって、繁栄時の章段とは異なる描き方が模索されたことがうかがわれます。一段ごとに時間をかけて本文を丁寧に読み進めながら、『枕草子』の賛美表現の特徴や作品としての論理などにも目を向けていきたいと考えています。なお、随時、プリントを配付し、必要な事柄は解説しますので、歴史的背景や作品に関する予備知識は必要ありません。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 10/01   ※以下の予定は講義の進行状況によって、多少、変更することがあります。
〇95段 ほととぎす探訪
2 10/08   (第1回の続き)
3 10/15   83段 雪山
4 10/22   第3回の続き
5 10/29   第4回の続き
6 11/05   〇5段 「大進生昌が家に」
7 11/12   〇6段 翁丸
〇定子晩年の記事
8 11/19   〇歌語り的な章段(224段・225段・226段)
〇史実年時未詳の段など
9 11/26   第8回の続き
10 12/03   〇定子一族と清少納言のその後(歴史物語・説話の記事など)
〇まとめ

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆2018年秋学期の同名講座と、ほぼ重なる内容です。
◆『枕草子』は各段が独立した性格を有する作品で、各段の配列も伝本により異なります。そのため、段数順ではなく内容的に近いものをまとめて取り上げる予定です。
◆2024年春学期からの続きにはなりますが、各段が独立した形式の作品ですので、今回からのご受講でも支障はありません。
◆初回開始頁―上巻128頁。

テキスト

テキスト
『新版枕草子上巻現代語訳付き』(角川ソフィア文庫)(ISBN:978-4044026011)
『新版枕草子下巻現代語訳付き』(角川ソフィア文庫)(ISBN:978-4044026028)

講師紹介

田畑 千恵子
元早稲田大学講師
早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得。専門分野は平安時代の散文(『枕草子』・日記文学)。早稲田大学及び複数の大学で学部生の指導を担当してきた。主要論文「枕草子『かへる年の二月二十余日』の段の位相」(『日本文学研究資料新集 四』有精堂)、「枕草子日記的章段の方法」(『中古文学』36号)など。
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