ジャンル 現代社会と科学

中野校

人類はどれほど奇跡なのか―現代物理学に基づく創世記

  • 冬講座

吉田 伸夫(サイエンスライター、元東海大学・明海大学講師)

曜日 水曜日
時間 15:05~16:35
日程 全4回 ・02月05日 ~ 02月26日
(日程詳細)
02/05, 02/12, 02/19, 02/26
コード 340707
定員 42名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 11,880
ビジター価格 受講料 ¥ 13,662

目標

・現代物理学の世界が機械仕掛けとは全く異なることを理解する。
・物理法則の枠内で、秩序が自律的に形成され得ることを知る。
・生命・知性・意識を、物理学的な観点から考えてみる。

講義概要

近代物理学は、物質の理解を飛躍的に深化させたものの、生命や知性の神秘まで解き明かすことは不可能だと思われてきました。しかし、20世紀後半になって、自律的に秩序形成が起きる物理過程が明らかになり、地球上に生命が発生するためのメカニズムが解明されつつあります。また、意識の有無によって脳波計のパターンに差があるというデータが集まり、なぜ大脳には意識が生じるのに小脳には生じないかもわかってきました。こうした状況を踏まえて、生命の誕生・知性の進化・意識の発生を、物理学的な観点から考えていきます。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 02/05 宇宙の中の人間 地球上の生命は、宇宙規模でのエントロピー変化に付随する形で誕生した。物理法則に従って生命が誕生する確率はきわめて低いが、宇宙が巨大なために低確率の事象が起きた。
2 02/12 知性に至る進化 知性は、生存戦略を遺伝子にコードせず、環境に応じて接続が変わる動的な神経回路にコードすることから始まった。
3 02/19 意識とは何か 大脳皮質の大部分をカバーする脳波計のデータを用いると、意識があるときにはカスケード的でない複雑な神経活動が生じていることが判明した。
4 02/26 秩序を生み出す物理現象 生命に関わる分子は、人間の技術を遥かに凌駕する精密機械として機能している。生体組織は時計のような単純な動きではなく、複雑な協同現象を通じて秩序を生み出している。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆参考図書として『人類はどれほど奇跡なのか』(技術評論社、2023)をお読みいただくと、より理解が深まります。

講師紹介

吉田 伸夫
サイエンスライター、元東海大学・明海大学講師
博士(理学、東京大学)。専門分野は、理論物理学(素粒子論・量子色力学)・科学史・科学論。明海大学・東海大学等で科学技術論などの講師を担当。主要著作:「科学はなぜわかりにくいのか」「人類はどれほど奇跡なのか」(技術評論社)「量子で読み解く生命・宇宙・時間」(幻冬舎)「時間はどこから来て、なぜ流れるのか?」「宇宙を統べる方程式」(講談社)「光の場、電子の海」(新潮社)など。
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