ジャンル 日本の歴史と文化

中野校

古代史を見直す 藤原広嗣の乱

  • 冬講座

遠山 美都男(学習院大学講師)

曜日 水曜日
時間 13:10~14:40
日程 全5回 ・01月15日 ~ 03月05日
(日程詳細)
01/15, 02/05, 02/12, 02/19, 03/05
コード 340205
定員 54名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 14,850
ビジター価格 受講料 ¥ 17,077

目標

・奈良時代、聖武天皇の時代に九州で起きた藤原広嗣の反乱の展開過程とその歴史的意義について学びます。

講義概要

天平12年(740)、藤原不比等の孫で宇合の長子の広嗣が大宰府の兵を動員して聖武天皇に叛旗を翻します。広嗣はどうして反乱に踏み切ったのでしょうか。聖武天皇は藤原氏の反抗にどのように対処したのでしょうか。また内乱の収束後、聖武天皇は平城京を放棄し、首都を転々とすることになりますが、それには一体いかなる意図があったのでしょうか。奈良時代の基本史料である『続日本紀』を読み解き、考察を深めます。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 01/15 藤原氏の系譜 藤原氏は天智天皇に仕えた鎌足によって創始され、その子の不比等により王権との関係を確立しました。不比等の4人の息子たちも重臣の座を不動のものにします。不比等三男の宇合の長子である広嗣には前途洋々たる将来が待ち受けているはずでした。
2 02/05 左遷と上表 藤原四子は天然痘の犠牲になり、あっけなく退場を余儀なくされます。聖武天皇は天平のパンデミックの克服という課題に義兄・橘諸兄(もと葛城王)の全面的な協力を仰ぎます。しかし、聖武が同じく義兄宇合の後継者で甥にあたる広嗣に与えた役割は彼の意に満たないものでした。
3 02/12 内乱の展開(前編) ついに広嗣は大宰府で橘諸兄政権への反乱に立ち上がります。若い広嗣の挙兵を支えたのは彼の亡父宇合が大宰府長官であった時代に培った地方人脈でした。聖武天皇は直ちに広嗣追討を命じます。6世紀前半に起きた磐井戦争以来の内乱が九州で始まろうとしています。
4 02/19 内乱の展開(後編) 『続日本紀』に記録された首都・平城京と戦地・大宰府管内との文書の遣り取りをたどり、内乱の展開から収束までを詳細に読み解きます。
5 03/05 乱の後にくるもの 内乱が乱が終わった後、大宰府は一時廃止されることになります。そして、聖武天皇はなぜか平城京を出て、近江国紫香楽に大仏を擁する都を築こうと企てます。その聖武の意図に迫ります。

備考

※1月22日(水)の休講分の補講は、1月 29 日(水)を予定しておりましたが、3月5日(水)が補講日となります。

講師紹介

遠山 美都男
学習院大学講師
1957年東京都生まれ。学習院大学大学院人文科学研究科史学専攻博士後期課程満期退学。博士(史学、学習院大学)。専門は日本古代史。著書に『新版 大化改新』『壬申の乱』(中央公論新社)、『蘇我氏四代 ― 臣、罪を知らず』(ミネルヴァ書房)、『古代の皇位継承』『敗者の日本史 大化改新と蘇我氏』『人をあるく 蘇我氏と飛鳥』(吉川弘文館)、『彷徨の王権 聖武天皇』『古代日本の女帝とキサキ』『天武天皇の企て 壬申の乱で解く日本書紀』(角川学芸出版)など多数。
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