ジャンル 日本の歴史と文化
中野校
アジア・太平洋戦争の終戦過程
手嶋 泰伸(龍谷大学文学部准教授)

曜日 | 金曜日 |
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時間 | 10:40~12:10 |
日程 |
全3回
・02月14日 ~
02月28日 (日程詳細) 02/14, 02/21, 02/28 |
コード | 340204 |
定員 | 54名 |
単位数 | 1 |
会員価格 | 受講料 ¥ 8,910 |
ビジター価格 | 受講料 ¥ 10,246 |
目標
・日本の終戦過程に関する概括的な理解を得る。
・アジア・太平洋戦争研究に関する現在の研究水準を理解する。
・日本の近現代史から現代社会の政治を展望できるようになる。
講義概要
2025年は、アジア・太平洋戦争終戦80年の節目の年です。この講義では、日本の終戦過程を概説し、日本の国家首脳部・軍首脳部がどのように戦争の終結を模索していたのかをみていくことで、戦争が長期化した理由を明らかにしていきます。戦争中、日本はどのように戦争を終わらせようと考えており、それがなぜできなかったのか。なぜ無条件降伏を選択するようになったのか。重要な問題に対して、慣習や固定観念に囚われて大局的な議論ができていなかった経緯を確認することは、現代の貴重な歴史的教訓となります。
各回の講義予定
回 | 日程 | 講座内容 | |
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1 | 02/14 | 大西洋憲章と大東亜共同宣言 | 現代を生きる我々は、第二次世界大戦が日本の無条件降伏によって終結したことを知っています。ですが、無条件降伏による終戦は、当時としては、当たり前の戦争の終わらせ方ではありませんでした。そこで、第二次大戦とそれまでの戦争では何が違っており、なぜ無条件降伏でなければ戦争を終わらせることができなかったのかを検証していきます。その過程で、大東亜共同宣言の外交的な意味についても考えていきます。 |
2 | 02/21 | 「一撃和平」論と終戦研究 | アジア・太平洋戦争の開戦時の内閣であった東条英機内閣は1944年7月に総辞職しますが、それでも一年以上の間、戦争は継続されました。東条内閣に対する陸海軍や重臣の不満の在り方を整理し、東条内閣はなぜ倒閣されたのか、東条内閣の倒閣後も戦争が継続されたのはなぜなのかを検討していきます。 |
3 | 02/28 | 無条件降伏をめぐる混乱 | ①第2回でみた「一撃和平」論者が、どのようにして無条件降伏に方針を転換するのかをみていきます。 ②終戦決定時の対立について、「国体護持」が中心的な論点であったとされることが多いですが、当時反対する者がほぼいない目標であるなら、なぜ議論が長期間にわたるのでしょうか。また、降伏が「聖断」によって決定されたことは有名ですが、「聖断」に絶大な効果があるのだとしたら、なぜ2回も「聖断」が必要だったのでしょうか。そこで、ポツダム宣言受諾時の論争のもう一つの論点について考えていきます。 |
ご受講に際して(持物、注意事項)
◆参考書籍:『統帥権の独立 帝国日本「暴走」の実態』(手嶋泰伸著、中央公論新社)、『日本海軍と政治』(手嶋泰伸著、講談社)、『海軍将校たちの太平洋戦争 』(手嶋泰伸著、吉川弘文館)を事前にお読み頂くとより理解が深まります。
講師紹介
- 手嶋 泰伸
- 龍谷大学文学部准教授
- 宮城県生まれ。博士(文学、東北大学)。専門分野は日本近現代史。国立高専機構福井工業高等専門学校講師を経て現職。主な著作として、『昭和戦時期の海軍と政治』(吉川弘文館、2013年)、『海軍将校たちの太平洋戦争』(吉川弘文館、2014年)、『日本海軍と政治』(講談社、2015年)、『統帥権の独立 帝国日本「暴走」の実態』(中央公論新社、2024年)。