ジャンル 文学の心

中野校

『日本書紀』を読む 巻第二十二・推古紀(前半部)

  • 冬講座

小林 真美(東京理科大学准教授、古事記学会理事)

曜日 水曜日
時間 13:10~14:40
日程 全5回 ・01月22日 ~ 03月12日
(日程詳細)
01/29, 02/12, 02/26, 03/05, 03/12
コード 340102
定員 36名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 14,850
ビジター価格 受講料 ¥ 17,077

目標

・本講座では、奈良時代に成立した最古の勅撰史書である『日本書紀』に注目し、主に文学としての観点から記事を読み解きます。
・他の文献との比較や奉斎神社の現状を通して、そこに登場する神・人物に関する理解を深めていきます。

講義概要

本学期は、『日本書紀』巻第二十二・推古天皇条(前半部)を中心に読み解きます。はじめに、『日本書紀』巻第二十一・崇峻天皇条を中心に、これまでの各天皇条の概要をみます。次に、講読では、記事内容の細部を踏まえつつ、漢籍の利用や、背景にある祭祀・信仰及び習俗、後世にみられる受容などを捉えることに重点を置きます。その上で、『古事記』『風土記』『日本霊異記』等にみる関連記事や、海外における類話、さらには現在奉斎する神社をも視野に入れつつ、『日本書紀』の持つ魅力を多角的に考えていきたいと思います。今学期から初めてご受講なさる方も歓迎いたします。初回時に、これまでの概要を解説いたしますので、お気軽にご受講ください。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 01/29 『日本書紀』巻第二十一・崇峻紀までの各天皇条の概要、巻第二十二・推古紀(即位前紀)、同紀 系譜及び人となり、崇峻天皇の崩御、即位、法興寺における仏舎利奉納、厩戸豊聡耳皇子(聖徳太子)の立太子及び人となり、用明天皇の改葬、四天王寺の造営
2 02/12 巻第二十二・推古紀 三宝興隆の詔、沈水(香木)の漂着、慧慈・慧聡の来朝、法興寺の落成、百済及び新羅の朝貢、地震の発生と祭祀、新羅征討による派兵、新羅及び任那の朝貢、皇太子による斑鳩宮造営、緊迫する任那情勢、耳梨行宮への行幸、新羅征討の会議、征新羅将軍・来目皇子らの派遣、観勒の来朝、来目皇子の薨去と殯斂・墓
3 02/26 巻第二十二・推古紀 当麻皇子の征新羅将軍任命、当麻皇子の妻・舎人姫王の薨去、新羅征討の中止、小墾田宮への遷都、秦造河勝による蜂岡寺の造営、冠位十二階の施行、皇太子による憲法十七条の制定
4 03/05 巻第二十二・推古紀 朝廷儀礼の更改、画師の任命、丈六の仏像二軀造立の誓願、造仏工・鞍作鳥、高句麗王による黄金三百両の貢上、褶の着用、皇太子の斑鳩宮居住、仏像の完成と安置・設斎、鞍作鳥に対する褒賞、鞍作鳥による金剛寺(坂田尼寺)造営
5 03/12 巻第二十二・推古紀 皇太子による『勝鬘経』『法華経』の講経、壬生部の制定、神祇祭拝に関する詔、遣隋使・小野妹子の派遣、複数の池の造営、各国における屯倉設置、小野妹子の帰国及び隋使・裴世清らの来朝、新館の建立、隋からの返書の略奪を報告する小野妹子、入京・奏上する裴世清ら、裴世清らの帰国及び小野妹子らの再派遣、天皇による煬帝への信書、学生・学問僧の隋派遣、新羅人の投化

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆2024年度秋学期講座から継続する内容を取り扱いますが、初回におきまして、これまでの概要も解説いたします。今学期から初めてご受講なさる方も、お気軽にご受講ください。

備考

・1月22日は休講となります。補講は3月12日に行います。

テキスト

テキスト
『日本書紀(四)』(岩波文庫)(ISBN:978-4003000441)

講師紹介

小林 真美
東京理科大学准教授、古事記学会理事
1976年山梨県出身。2006年國學院大學大学院文学研究科日本文学専攻博士課程後期修了。博士(文学)。著書に『『古事記』諸本における受容と展開の研究』(単著・國學院大學大学院)、『日本書紀【歌】全注釈』(分担執筆・笠間書院)、『先代旧事本紀論』(同・花鳥社)等がある。
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