ジャンル 現代社会と科学

早稲田校

第三の超大国・インドの実力と試練

  • 冬講座

笠井 亮平(岐阜女子大学特別客員准教授、公益財団法人日印協会顧問)

曜日 土曜日
時間 10:40~12:10
日程 全6回 ・01月11日 ~ 02月22日
(日程詳細)
01/11, 01/18, 01/25, 02/01, 02/08, 02/22
コード 140788
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 17,820
ビジター価格 受講料 ¥ 20,493

目標

・インドの政治、外交、経済、社会について理解を深める。
・インドと日本の関係について理解を深める。
・異文化について関心を高める。

講義概要

世界の中で、インドの存在感が急速に高まっています。人口は世界1位となり、経済でも2025年にGDPで日本を抜いて世界4位になると予想されています。2023年にはG20の議長国として外交手腕を発揮しました。しかし「インド」はあまりに大きな主語であるがゆえに、一括りにするのが難しい、あるいはそうすることでは実態を理解しにくい国でもあります。本講座では、インド経験豊富な講師が、最新の現地情報を踏まえながら政治、外交、経済、社会のリアルな現状について解説していきます。日本とインドの結びつきについても、近現代の歴史から21世紀の関係強化まで、幅広く取り上げていきます。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 01/11 はじめに—インドの「大国化」の虚実を問う 「人口世界1位」「経済規模世界4位へ」「軍事費世界4位」「IT大国」「世界の薬局」と、インドの急成長がメディアで盛んに取り上げられています。第1回目は、こうしたデータを確認するとともに、数字だけでは見えてこない実態について解説していきます。最新のインドの画像や動画も紹介します。
2 01/18 政治—「世界最大の民主主義国」で行われた2024年総選挙を読み解く 2024年、インドで下院総選挙が行われました。有権者数9億6000万人という、まさに「世界最大の総選挙」でした。与党連合が過半数を維持したことで第3次モディ政権が発足しましたが、一方で野党連合の躍進もありました。インドの選挙の特長や今回の選挙結果から見えるもの、モディ政権が直面する課題のほか、国政レベルだけでなく地方(州)レベルにも着目して、複雑な政治状況を読み解きます。
3 01/25 外交—米中に次ぐ「第三の超大国」になれるのか 国力の増大に伴い、インドの外交面での動きに注目が集まっています。グローバル・サウスの「盟主」を自認し、2023年のG20では議長国としての立場をフル活用しました。米欧日との関係を深める一方で、ロシアとの伝統的友好関係を維持していることも注目されています。しかし足元の南アジアの情勢は不安定で、中国との関係も厳しい状況が続いています。外交の現状と「第三の超大国」になるためにクリアすべき課題について論じます。
4 02/01 経済とビジネス—巨大市場がもたらすチャンスとチャレンジ 「インドの台頭」を象徴する急速な経済成長。国レベルでは高成長を維持し、外資による大型投資案件やインド企業の積極的な事業展開も盛んに報じられます。その一方で、格差の広がりや若年層を中心とした雇用問題も報じられています。日本企業も投資先としてもマーケットとしても関心を強めていますが、一筋縄ではいかないインドに日々格闘しているようです。この回では、経済とビジネスの観点からインドの実像に迫ります。
5 02/08 社会—映画と料理で読み解く人びとの生活 急速な経済成長は、社会のさまざまな部分に影響を及ぼしました。一方で、カーストや宗教をめぐる問題もあります。ここでは、インドの大きな魅力である「映画」を通じて、教育(理系大学や受験戦争)や女性の地位を、「食」を通じて宗教の違いや地域毎の特長、最近のライフスタイルの変化について解説していきます。日本でも大ヒットした映画「RRR」も取り上げます。
6 02/22 日本との関係—真に「特別」で「グローバル」なパートナーシップを築けるか 近年、日本とインドは「特別戦略的グローバル・パートナーシップ」のもとで、関係強化を進めており、外交・安全保障から経済・ビジネス、インフラ整備支援、科学技術や人的交流など、協力分野は多岐にわたります。この回では、両国の関係緊密化の進展と背景を解説するだけでなく、他国とインドの関係とも比較しながら今後日本が独自性を発揮できる分野についても考えていきます。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆休講が発生した場合の補講日は3月1日(土)を予定しています。
◆世界情勢の変化によって、講座内容が変更になることがあります。

講師紹介

笠井 亮平
岐阜女子大学特別客員准教授、公益財団法人日印協会顧問
インドはじめ南アジアをフィールドに、国際関係、政治、社会、文化、歴史など幅広いテーマを守備範囲とする。インド、中国、パキスタンの日本大使館で外務省専門調査員としても勤務。近著に『第三の大国 インドの思考』『『RRR』で知るインド近現代史』(文春新書)、『インドの食卓』(ハヤカワ新書)、共編著に『インド北東部を知るための45章』(明石書店)、訳書にジャイシャンカル著『インド外交の流儀』(白水社)など多数。インド料理とインド映画をこよなく愛する。
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