ジャンル 日本の歴史と文化

早稲田校

蔦屋重三郎の生きた時代の「江戸」とは?

  • 冬講座

菅野 俊輔(江戸文化研究家、歴史家)

曜日 月曜日
時間 15:05~16:35
日程 全8回 ・01月06日 ~ 03月10日
(日程詳細)
01/06, 01/20, 01/27, 02/03, 02/10, 02/17, 03/03, 03/10
コード 140215
定員 26名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 23,760
ビジター価格 受講料 ¥ 27,324

目標

・18世紀後半は、飢饉、浅間山噴火、江戸打壊しがあるなど大変な時代でした
・でも、江戸っ子は当世を「浮世」と考え、楽しむことに努めたのです
・宝暦〜寛政・享和に至る年号ごとに、蔦重の生きた時代の江戸を語ります

講義概要

2025年大河ドラマの主人公蔦屋重三郎の生きた時代(18世紀後半)を、人物と出来事に注目して、年号(和暦)順に概観します。蔦重は寛延3(1760)年に誕生しました。翌年に大御所吉宗が他界したため、宝暦と年号が改められます。ということで、宝暦から語り始めて、明和、安永、天明、寛政、と語りつぎます。18世紀(江戸中期)さいごの寛政年間に47歳という若さで蔦重は亡くなります。蔦重と仕事の関係にあった多くの絵師や文人は、19世紀(江戸後期)に活躍しますので、第8回の最終回は、19世紀最初の享和とします。蔦重の関わった出版界を離れて、時代のなかで注目すべき人物や出来事を中心に語りたいと思います。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 01/06 蔦重が初等教育に身をおいた宝暦年間の出来事 仮名手本忠臣蔵の盛況により江戸歌舞伎が興隆しますが、元禄以来の市川團十郎家には大きな悩みごとがありました。
2 01/20 蔦重が貸本の行商をしていたと推測される明和年間の出来事 大小暦の製作が流行し、絵師の鈴木春信によって多色摺りが可能となり、吾妻錦絵が誕生します。
3 01/27 蔦重が吉原大門口に本屋を開業した安永年間の出来事 幕臣の大田南畝が住む山の手を中心に狂歌が盛んとなり、町では恋川春町の黄表紙第1作が評判となります。
4 02/03 蔦重が出版文化を主導した天明年間の出来事パート1 浅間山の噴火、東北地方の飢饉、江戸の打壊し、などなど時代が大きく揺れ動きます。
5 02/10 天明年間の出来事パート2 時代が揺れ動くなかで、江戸に闇社会が成立しますが、火付盗賊改めとして活躍する「鬼平」に注目します。
6 02/17 蔦重のパートナーに哥麿と写楽がいた寛政年間の出来事パート1 享保に次ぐ幕政改革とその取り締まりにより、武士作家が文芸活動から総退隠してゆきます。
7 03/03 寛政年間の出来事パート2 寛政の遺老による改革政治が続くなか、庶民の楽しみとなる寄席が出現します。
8 03/10 19世紀(江戸後期)最初の享和年間の出来事 蔦重が最後に見出だした作家十返舎一九の作品がロングセラーとなり、全国的な旅行ブームのきっかけとなります。

講師紹介

菅野 俊輔
江戸文化研究家、歴史家
1948年東京生まれ。カルチャーセンターなどの古文書や江戸学の講師のほか、講演、テレビ出演と監修、著述など幅広く活動中。著書『なぞり書きで覚える江戸のくずし字入門』『江戸・戦国のくずし字古文書入門』(扶桑社)『江戸っ子が惚れた忠臣蔵』(小学館)『江戸の長者番付』『真相解明「本能寺の変」』(ともに青春新書)、監修『鬼平と梅安が見た江戸の闇社会』(宝島新書)等。
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