ジャンル 現代社会と科学

早稲田校

気候変動時代の生態系研究

  • 冬講座

小泉 博(早稲田大学名誉教授)

曜日 火曜日
時間 13:10~14:40
日程 全7回 ・01月14日 ~ 03月04日
(日程詳細)
01/14, 01/21, 01/28, 02/04, 02/18, 02/25, 03/04
コード 140723
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 20,790
ビジター価格 受講料 ¥ 23,908

目標

・生態系の持つ機能(役割)を理解する。
・気候変動時代の生態系研究(実験)の具体的な例を学ぶ。
・将来世界各地の生態系がどの様に変化する可能性があるかを理解する。

講義概要

人間活動が地球の気候をも変える時代になった今、地球上の様々な生態系がその影響を受けている。特に地域における物質循環の乱れや生態系機能の変化などが我々の生活にも影響を及ぼしている。これに対応するためには新たな科学的知見(新たな研究)が必要とされるが、十分なものとはいえない。本講座では、自然生態系の機能を理解し、さらにその変化のメカニズムを明らかにするために我々が20年以上にわたり展開してきたフィールド研究(実験)の一端を、その魅力と困難さを交えながら紹介する。このことにより将来の気候下において世界各地の生態系がどの様に変化する可能性があるかについて理解を深めたい。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 01/14 生態系とその機能について 生態系は様々な機能を持つが、ここではその重要な機能の一つである物質循環について簡明に解説する。
2 01/21 異なる森林タイプにおける炭素循環の比較研究 冷温帯のミズナラ林、アカマツ林、カラマツ林における炭素固定量や土壌呼吸量を測定し、それぞれの森林の炭素収支を比較した研究を紹介する。
3 01/28 様々な農耕地における炭素動態の比較研究 地球上には様々な農耕地が存在するが、栽培する作物の種類や土壌タイプ等の違いにより農耕地の炭素動態・収支が異なることを解説する。
4 02/04 衛星生態学研究 人工衛星を用いて地球環境をモニタリングする研究手法が進展しているが、ここでは我々が人工衛星を生態学に適応した「衛星生態学」について、その創生から展開まで詳細に解説する。
5 02/18 土壌圏調査から見た炭素動態研究 ①タワー観測と土壌プロセス調査から統合して見えてきたこと、②遷移系列に伴う土壌炭素動態の研究から解明されてきたこと、③土壌プロセス研究から得られた有用情報について解説する。
6 02/25 冷温帯放牧シバ草原における温暖化操作実験 シバ草原を実験的に温暖化させ、その時のシバの生育状況や土壌呼吸速度等を計測した比較実験を紹介する。
7 03/04 バイオ炭を用いた森林における炭素隔離効果と生態系応答機構の解明実験 里山林を対象にバイオ炭を用いて炭素隔離の有用性と生態系応答機構(光合成や土壌呼吸)を明らかにしつつある最新の研究を紹介する。

講師紹介

小泉 博
早稲田大学名誉教授
早稲田大学教育学部理学科卒業後、同大学院理工学研究科博士課程単位取得満期退学。その後、農林水産省農業環境技術研究所、岐阜大学流域圏科学研究センター、早稲田大学教育・総合科学学術院に奉職。理学博士(早稲田大学)。専門分野は、植物生態学、環境生態学。著書に『草原・砂漠の生態』(共立出版)などがある。
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