ジャンル 芸術の世界

早稲田校

西洋美術の流れ 近現代美術篇

  • 冬講座

小倉 康之(玉川大学教授、美術博士)

曜日 土曜日
時間 13:10~14:40
日程 全5回 ・01月11日 ~ 02月15日
(日程詳細)
01/11, 01/18, 01/25, 02/08, 02/15
コード 140431
定員 41名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 14,850
ビジター価格 受講料 ¥ 17,077

目標

・近現代の美術と建築について、様式上の特質を理解し、作品鑑賞に役立てることができる。
・18世紀から20世紀まで(ロココ美術〜ポスト印象主義・現代美術)の西洋絵画と彫刻、工芸、建築、デザインについて、主要な作品の主題と象徴的意味について理解を深める。

講義概要

この講座では、西洋美術の流れを通観し、各時代の美術を「絵画」と「彫刻」、「建築」、「工芸」が一体となった「総合芸術」として捉えます。美術史学の分野では、時代や地域による表現形式の違いを把握するために「様式」の概念を適用します。ロマネスク、ゴシック、ルネサンス、バロックなど、それぞれの時代様式の特質についてお話しいたします。その上で、作品の主題や歴史的背景についての考察を行い、「図像学」の方法論に基づいて解説します。本講座では、18世紀から20世紀まで、ロココ美術からポスト印象主義・現代美術までを扱います。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 01/11 ロココ美術Ⅱ・新古典主義・ロマン主義・写実主義 はじめに、シェーンブルン宮殿など、ロココの宮殿建築と絵画を中心に18世紀の美術を概観します。その上で、ポンペイの発掘などを契機とする「古典芸術」の再発見と新古典主義の美術と建築について考察します。18世紀から19世紀前半にかけて、市民革命と産業革命を背景とし、時代は大きく変化しました。ダヴィッドやグロ、アングルなどの新古典主義と、ジェリコーからドラクロワへと至るロマン主義の作品とを比較します。冬講座の1回目は、ロココから写実主義までの絵画と18世紀〜19世紀前半の建築を中心にお話しいたします。
2 01/18 アカデミズム絵画と印象派、新印象主義、ポスト印象主義 マネやモネの革新性を理解するために、当時主流を占めていたアカデミズム絵画と比較します。ブグローに代表されるサロン派の画家たちのテーマと技法について詳しく述べ、その上でマネやモネ、ルノワール、ドガ、ピサロ、シスレー等の作品について解説します。印象派の誕生と展開をより深く理解するために、フランスの歴史と19世紀のパリを中心とした都市の変化について考えましょう。後半はスーラやシニャックなどの新印象主義、ゴーギャンやゴッホに代表されるポスト印象主義の絵画を取り上げます。
3 01/25 アール・ヌーヴォーの芸術 フランス語圏のアール・ヌーヴォーとドイツ語圏の新しい芸術(ユーゲントシュティル、ウィーン分離派)は、同じ時代の芸術でありながら表現方法が異なります。アール・ヌーヴォーは曲線的で有機的な造形であるのに対し、ドイツ語圏では直線的で幾何学的な造形が好まれました。しかし、それぞれが違ったかたちで日本文化からの影響を受けていました。3回目の講座では、19世紀末のデザインや建築を中心に、アール・ヌーヴォーのデザインとジャポニズムとの関わりについて解説します。
4 02/08 バウハウスと日本、バウハウスと抽象絵画 現代のデザイン作品の多くは「バウハウス」の影響を受けています。バウハウス風の作品は常に私たちの身の回りにあり、誰もが知っているデザインです。しかし、バウハウスの建築家やデザイナーたちが「日本文化」の影響を受けていたことは、まだほとんど知られていません。第19講では「バウハウスと日本」をテーマに、ヨハネス・イッテンやヴァルター・グロピウス等の「日本研究」について論じます。後半は、バウハウスで教鞭をとったワシリー・カンディンスキーを中心に、現代絵画のテーマについて考えます。
5 02/15 まとめ(近代絵画のテーマと様式) ―モネ、ゴッホ、ゴーギャン、モーリス・ドニを中心に― 最終回は「まとめ」として、近現代美術の主題と時代背景について考察します。モネの睡蓮やゴーギャン、ドニの作品を取り上げ、それぞれを詳しく論じ、時代の変化と対応させながら読み解いていきます。画家たちが追い求めた「理想」とは何だったのでしょうか。過去の芸術家たちと比較しながら、近代美術のテーマと様式についてお話しいたします。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆持ち物:筆記用具
◆プロジェクターによる画像投影を行いますので、室内が暗くなります。必要に応じてペンライトなどお手元の明かりをお持ちください。
◆2024年夏学期の講座の続編ですが、初めての方もご受講いただけます。

講師紹介

小倉 康之
玉川大学教授、美術博士
1968年、千葉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。東京藝術大学大学院美術研究科修士・博士後期課程修了、2001年博士号取得。西洋美術史(建築図像学)専攻。著書・論文: 『ビジネスエリートのための! リベラルアーツ2 西洋美術』 (監修・著、すばる舎)、 『イメージとテキスト』 『イメージとパトロン』(共著、ブリュッケ社)、「第二次シュパイヤー大聖堂のアプシスと霊廟建築」(『美學』 第212号)など。現在、玉川大学芸術学部アート・デザイン学科教授、共立女子大学文芸学部・実践女子大学文学部非常勤講師。

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