ジャンル 日本の歴史と文化

中野校

日本史の恋愛―大河ドラマを楽しみながら

  • 春講座

本郷 和人(東京大学教授)

曜日 火曜日
時間 15:05~16:35
日程 全6回 ・04月16日 ~ 05月28日
(日程詳細)
04/16, 04/23, 05/07, 05/14, 05/21, 05/28
コード 310223
定員 80名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 17,820
ビジター価格 受講料 ¥ 20,493

講義概要

丸谷才一は日本文化の中心には和歌があり、和歌の粋は恋愛である、と指摘しました。たしかに秀歌の多くは恋愛をテーマにしています。中国の漢詩に恋愛はおろか、女性がほとんど出てこないことと好対照をなしています。日本古来のありようからすると、男女の交わりに厳しいのは江戸時代の武家社会と、その思想的影響を受けた戦前日本だけなのかな、その他では日本人は「大らかな恋愛」を楽しんでいるのでは、という疑問がわいてきます。たとえば偉大な民俗学者・宮本常一の『土佐源氏』は、その疑問に答える方向性を示唆してくれます。本講座では、思い込みを排して、恋愛について実際のところを見ていきながら、日本人の特質に迫っていきます。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 04/16 日本人は本当に「大らかな恋愛」を享受していたのか ①卑弥呼に持統天皇、天照大神も。古代日本では女性の地位は高かった
②万葉集の時代の恋愛
③なぜ女性天皇は奈良時代に多かったのか?
④日本の家族のありようは、奈良時代に変わった?
⑤血よりも家を重視する日本社会
2 04/23 源氏物語の時代 ①自由恋愛と女流文学の誕生
②『源氏物語』が描く恋愛の数々
③紫式部とは何者か
④婿招婚と政治  
⑤平安貴族の美意識
3 05/07 中世の男と女 ①白拍子という存在 平清盛と妓王、源義経と静御前 後鳥羽上皇と亀菊
②武家の女性の地位について
③「女人入眼の日本国」
④嫁の実家の強さ
⑤中世の遊女、僧侶の男色
4 05/14 戦国武将の性愛 ①けっこう、一夫一婦である
②女性城主の存在 井伊直虎はウソだけど、立花誾千代はホンモノ
③色々な夫婦1 細川忠興とガラシャ 前田利常と珠姫
④色々な夫婦2 前田利家とまつ 今川氏真と早川殿 山内一豊の妻
5 05/21 天下人と女性たち ①織田信長と女性たち 濃姫、吉乃、お艶の方、お市の方
②豊臣秀吉と女性たち1 大政所 北政所 旭姫
③豊臣秀吉と女性たち2 京極竜子 淀殿
④徳川家康と女性たち1 築山殿 側室たち
⑤徳川家康と女性たち2 家康は娘に甘かった?
6 05/28 近世以降、堅苦しくなった社会での女性たち ①夫婦別姓から夫婦同姓へ 夫婦墓から家族墓へ
②武家では良妻賢母 
③でも庶民はしたたかだった「間男7両2分」 浮世絵に見る色模様
④女性解放は性の解放から

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆講師多忙により、休講が発生した場合の補講は、6月4日(火)、6月11日(火)、それ以外は、補講期間に行います。

講師紹介

本郷 和人
東京大学教授
1960年東京都生まれ。東京大学文学部・同大学院で日本中世史を学ぶ。専攻は中世政治史と古文書学。東京大学史料編纂所の助手・助教授を経て、現在同教授。著書に『名将の言葉: 乱世を生き抜く101の奥義』(新潮文庫)、『天皇はなぜ万世一系なのか』『日本史のツボ』(文春新書)など多数。2012年のNHK大河ドラマ「平清盛」で時代考証を担当。
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