ジャンル 現代社会と科学

中野校

宇宙の科学最前線―謎解きに挑む4大プロジェクト

  • 秋講座

縣 秀彦(国立天文台准教授)

曜日 土曜日
時間 10:40~12:10
日程 全4回 ・11月09日 ~ 12月14日
(日程詳細)
11/09, 11/30, 12/07, 12/14
コード 330717
定員 24名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 11,880
ビジター価格 受講料 ¥ 13,662

目標

・天文学の基礎を修得する。
・現代天文学の課題や目標を理解する。
・宇宙時代に向けて人類の有り様を考察する。
・国立天文台他の諸デジタルコンテンツが使いこなせる。

講義概要

天文学は人類の歴史の中で最も古い学問の一つです。4回の講義を通じて、コンパクトに現代天文学の到達点と未解決の課題を紹介します。かつて大学学部時代に一般教養として身に付けていた天文学概論のエッセンスを知るとともに、国立天文台他が無料で配布している便利なデジタルコンテンツの使い方も修得しましょう。今回の講座では、すばる望遠鏡/TMTなどの地上大型望遠鏡、ALMAなどの電波天文台、KAGRAほかの重力波天文台、ハッブル宇宙望遠鏡やジェームズ・ウェブ宇宙望遠鏡などの宇宙望遠鏡という、4つの宇宙を見る「眼」に焦点を当ててお話します。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 11/09 すばる望遠鏡の挑戦 ーあれから四半世紀 建設・製造に10年近い歳月を経て1999年に完成した日本の「すばる望遠鏡」。ハワイ島マウナケア山4200メートルの頂から今宵も宇宙の謎解きに挑戦しています。25年間のトップ成果をご紹介するとともに、まだ解けぬ謎と、TMT計画はじめ今後の大型光赤外線望遠鏡のねらいについてお話します。
2 11/30 野辺山発ALMA行き ー電波でみる宇宙 いまや日本のお家芸とも呼ばれる「電波天文学」。1970年代には国立天文台三鷹本部に設置された6mミリ波望遠鏡の周囲に梁山泊のように血気盛んな若者たちが集まってきました。1980年代に長野県野辺山高原に45m電波望遠鏡が完成。世界の電波天文学の聖地となりました。そしてその技術と人材はチリ・アタカマ砂漠に2013年に建設されたALMA望遠鏡へ。電波天文学の歴史とその成果についてお話します。
3 12/07 マルチメッセンジャー天文学の夜明け ーKAGRAへの期待 2015年、人類は初めて重力波の検出に成功します。米国の重力波望遠鏡LIGOによるブラックホールどうしの合体検出です。日本の重力波望遠鏡KAGRAは2020年に試験観測を開始。今後、ブラックホール合体や中性子星合体(キロノバ)の観測等が期待されています。本格的なマルチメッセンジャー天文学時代の天文学の課題や挑戦について紹介します。
4 12/14 ハッブルからジェームズ・ウェブへ -宇宙望遠鏡が切り開いた知の地平線 1990年に打ち上げられ、幾多の苦難を乗り越えて史上最大級の成果を挙げ続けているハッブル宇宙望遠鏡(HST)。そして、その後継機ジェームズ・ウェッブ望遠鏡が2021年から稼働。信じられない深宇宙の造形を目の当たりにできる時代になりました。それらの成果のハイライトを紹介するとともに、今後の天文学の方向性について一緒に議論しましょう。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆参考図書として、『すべての人の天文学』(縣秀彦編著、2022年、日本評論社)、『ビジュアル天文学史』(縣秀彦著、岡村定矩監修2023年、緑書房)お読みいただくとより理解が深まります。
◆ご受講前にご覧になってお頂くとよいHP。日本天文学会「インターネット天文学辞典」https://astro-dic.jp/、国立天文台ウェブサイトhttps://www.nao.ac.jp/

講師紹介

縣 秀彦
国立天文台准教授
総合研究大学院大学・准教授、一般社団法人宙ツーリズム推進協議会・代表、 信濃大町観光大使、日本天文学会会員、日本文藝家協会会員
1961年長野県生まれ。「面白くて眠れなくなる天文学」(PHP出版)、「星の王子さまの天文ノート」(河出書房新社)、「日本の星空ツーリズム」(緑書房)、「ビジュアル天文学史」(緑書房)など多数の著作物を発表。NHKラジオ深夜便「ようこそ宇宙へ」他に出演中。

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