ジャンル くらしと健康

中野校

手話―「日本語対応手話」と「日本手話」を学ぶ【継続】

  • 秋講座

鈴木 隆子(手話通訳士、日本語教師)

曜日 土曜日
時間 15:05~16:35
日程 全9回 ・09月28日 ~ 12月14日
(日程詳細)
09/28, 10/05, 10/12, 10/26, 11/09, 11/16, 11/30, 12/07, 12/14
コード 330601
定員 24名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 26,730
ビジター価格 受講料 ¥ 30,739

目標

・聴覚障がい者には「ろう者」「難聴者」「中途失聴者」という方々がいることを知る。
・「日本語」と「日本語対応手話」と「日本手話」を比較して学ぶ。
・手話を「第二言語」として体系的に学ぶ。
・人間に上下がないのと同じく、言語にも上下がないことを改めて理解する。

講義概要

今学期では、まず日本語の表現を分析したうえで、それを手話に換えるとどうなるかをきちんと勉強します。ネイティブの日本人の聴者が日常生活の中で当たり前に使っている日本語の様々な表現を、一つの言語として改めて学んでから、それらを表す手話表現を練習しましょう。「ざっくりとした表現」とか「あいまいな表現」ではなく、ニュアンスまで伝えられると豊かなコミュニケーションがはかれます。手話を学び始めたばかりの方、ブランクがある方、地域の手話講習会を受講中の方、すでに手話通訳として活動されている方など幅広い方を対象に丁寧にご説明いたします。※当講座の「ご受講に際して」「各回の講義予定」を必ずご確認ください。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 09/28 日本語の依頼の表現を手話に換える 日本語の依頼の表現には様々な種類があります。「〜してください」「〜してくれますか?」「〜してくれませんか?」「〜してくれない?」などバラエティーに富んでします。それらを手話に換えるとどうなるか、一緒に勉強しましょう。
2 10/05 日本語の勧誘表現を手話に換える 人を誘うときの表現も、日本語にはいろいろあります。自分より目上の方を誘うときと、自分と同等の人を誘うときでは、誘い方も異なります。日本語の様々な表現の違いを改めて確認したうえで、手話の表現を学びましょう。
3 10/12 日本語の義務の表現を手話に換える 「〜しなければならない」「〜しなければいけない」「〜するべきだ」など、日本語の義務の表現も豊かです。様々な文型を整理してから、手話の表現を学びましょう。
4 10/26 日本語の「お勧め」の表現を手話に換える 人に何かを勧めるときにも日本語の表現は豊かです。「〜した方がよい」「〜したら?」「〜すればどう?」などなど様々な表現があります。微妙なニュアンスの違いまで伝えられるように練習してみましょう。
5 11/09 日本語の「要望」の表現を手話に換える 日本語の「〜したい」と「〜してほしい」は意味が違います。しかし、それを両方とも同じ手話「好き」で表す手話通訳者も多いようです。通訳現場で「〜したい」と「〜してほしい」を間違えて伝えたためにトラブルになった例をご紹介しながら、正しい手話表現を学びます。
6 11/16 日本語の「禁止」の表現を手話に換える 日本語はハッキリ表さずに「相手に意をくんでほしい」、「察してほしい」という言語です。でもそれをそのまま手話に換えると、思わぬ誤解を呼んでしまうことがあります。講演会などの舞台通訳でよく言われる「会場では飲食をお控えいただきますようお願いいたします」これをどうやって手話に換えるか勉強しましょう。
7 11/30 日本語の「許可」の表現を手話に換える 「〜をしてもらってもいいですか」「〜をさせてもらっていいですか」この二つはとても似ていますが、意味は異なります。「聴覚障がい者のための手話でおこなう日本語講座」を2008年に開講して16年経ちます。様々な企業で聴覚障がい社員の日本語研修を担当して感じるのは、この二つの違いを明確に答えられるろう者は本当に少ないということです。ろう者が間違いやすい文型を知り、ろう者への理解につなげましょう。
8 12/07 日本語の授受表現「あげる・もらう・くれる」を手話に換える 日本語の授受表現「あげる・もらう・くれる」は他の言語と比べて、とても難しいです。他の言語にも「あげる」と「もらう」はありますが、「くれる」の概念が難しいのです。ネイティブの日本人の聴者は悩まずに使い分けができますが、日本語を第二言語とする外国人や聴覚障がい者の方々にとっては、使い分けが難しいのです。改めて整理しましょう。
9 12/14 日本語の授受表現の圃場動詞「〜てあげる・〜てもらう・〜てくれる」 日本語の授受表現には、実際にモノのやり取りを表す「あげる・もらう・くれる」の他に、動詞の後について補助動詞として使われる「〜てあげる・〜てもらう・〜てくれる」という表現があります。この補助動詞としての授受表現をそのまま手話に換えると、相手は混乱してしまいます。手話に換えるとどうなるか、他の手話学習の場では学べない内容をご一緒に学びましょう。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆2024年度夏講座からの継続講座です。
◆今学期は「依頼の表現」から学びます。
◆前学期の復習から始めますので、新規の方も歓迎いたします。
◆テキストは不要です。講師の作成したプリントを配付します。
◆参考図書『ろう者と聴者の懸け橋に:「手話通訳士」兼「日本語教師」の挑戦』(鈴木隆子著、大月書店)、『はじめてでもそのまま使える手話会話フレーズ228』(鈴木隆子監修 池田書店)を事前にお読み頂くとより理解が深まります。

講師紹介

鈴木 隆子
手話通訳士、日本語教師
東京都武蔵野市吉祥寺出身。立教大学文学部英米文学科卒。大学時代は東京六大学野球のチアガール。手話通訳士・日本語教育能力検定試験に合格した日本語教師。宅建士の資格もあり。日本で唯一の「聴覚障がい者のための手話でおこなう日本語講座」を開講。外国人向けの日本語教育をもとにした独自の教授法で指導。著書は「ろう者と聴者の懸け橋に」「はじめてでも そのまま使える手話会話フレーズ228」等。手話通訳士であり、日本語教育能力検定試験に合格したプロの日本語教師として、聴覚障がい者に手話で「日本語の文法」「日本語の文型」「ビジネス講座」を指導している唯一の教師。

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