ジャンル 世界を知る
中野校
児童文学にみるイギリスの文化と生活 くまのプーさん、ピーターパンなど
川端 有子(日本女子大学教授)

曜日 | 火曜日 |
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時間 | 10:40~12:10 |
日程 |
全5回
・10月15日 ~
12月10日 (日程詳細) 10/15, 10/29, 11/12, 11/26, 12/10 |
コード | 330310 |
定員 | 24名 |
単位数 | 1 |
会員価格 | 受講料 ¥ 14,850 |
ビジター価格 | 受講料 ¥ 17,077 |
目標
・主に20世紀のイギリスの有名な児童文学作品を読み解く
・それらの作品からイギリスの文化や生活様式に対する理解を深める
・時代の移り変わりが児童文学に反映されている様子を知る
講義概要
だれもがその題名は知っているイギリスの児童文学4作を通じて、そこに描き出されている子どもや人々の生活様式を知り、背景の文化を読み解いていきます。『砂の妖精』の子どもたちは魔法で何を得たのか、『ピーターパン』はなぜ大人になりたくないのか、『くまのプーさん』に出てくるトラー(ティガー)は何が主食なのか、『トムは真夜中の庭で』の「真夜中の庭園」はなにを意味するのか? 『床下の小人たち』の借りぐらしの小人たちの物語はなぜ少年の語りを通じて語られているのかなど、物語の細部に隠された背景と秘密を考えていきましょう。
各回の講義予定
回 | 日程 | 講座内容 | |
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1 | 10/15 | 『砂の妖精』と子どもたちの日常生活 | かなえてもらえる魔法のお願いのおかげで、5人の子どもたちは右往左往するのですが、砂の妖精サミアドとの出会いで、子どもたちが学んだことや背景に描かれている家事使用人の役割、異民族であるジプシーの表象などに注目します。 |
2 | 10/29 | 『ピーターパン』とおとな・子ども、女性・男性 | 20世紀初頭の家族の形、ジェンダーと年齢の問題を、この有名なファンタジーから見ていきます。ネバーランドへ行く前の、ウェンディ―の家族の描写に注目してみると、意外な事実が浮かび上がります。 |
3 | 11/12 | 『くまのプーさん』における子ども部屋と世界 | クリストファー・ロビンの遊びから展開するプーさんの世界も、外の世界状況に影響されていることがわかります。二つの大戦の戦間期に書かれた物語の意味を追います。 |
4 | 11/26 | 『トムは真夜中の庭で』と時間・永遠・庭園のかかわり | 真夜中になると現れる不思議な庭園は、ヴィクトリア朝の世界だった。その謎を解こうとするトムの行動を追って、時間と永遠が対立項であること、庭園の意味するところを読み解きます。 |
5 | 12/10 | 『床下の小人たち』と名前のない少年の語り | 『借り暮らしのアリエッティ』の原作であるこの作品は、小人と交流する少年の名前が出てきません。少年の背景から、彼の語りの意味、なぜ名前が付けられていないのかという点から、作品の背景の社会状況を考えます。 |
講師紹介
- 川端 有子
- 日本女子大学教授
- 神戸大、関西学院大英文科出身。英国の大学院で児童文学を学び、PhDを取得。現在日本女子大学では児童文学を教えているが、イギリスのヴィクトリア朝の文化や文学、とりわけ女性と子どもの読み物、暮らし一般を研究している。著書『英国レディの世界』『ヴィクトリア朝の女性と暮らし』『小説家フランシス・ホジソン・バーネット』など。