ジャンル 現代社会と科学

早稲田校

DNAから迫るヒトの謎 ゲノム人類学入門

  • 秋講座

太田 博樹(東京大学大学院教授)

曜日 水曜日
時間 15:05~16:35
日程 全4回 ・10月23日 ~ 11月13日
(日程詳細)
10/23, 10/30, 11/06, 11/13
コード 130752
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 11,880
ビジター価格 受講料 ¥ 13,662

目標

・DNAなど基本概念を理解し集団遺伝学にもとづく進化理論を身につける。
・ヒト(ホモ・サピエンス)にいたる道のりを分子レベルから理解する。
・古代ゲノム学の最新トピックスに触れる。

講義概要

私たちはどこから来たのか?「ヒト」と「ホモ・サピエンス」は同義だけれど、「ヒト」と「人間」は同義ではない。ヒトに関する知見は、ここ20年ほどのゲノム科学の進歩に伴い、急速に蓄積し変容してきた。約3万年前に姿を消したネアンデルタール人やデニソワ人といったサピエンス以外の人類の存在も、ゲノム解析から明らかにされた。サピエンスは10~30万年前にアフリカ大陸で誕生した新種で、6~7万年前にアフリカ大陸を出てユーラシア大陸、さらにはオーストラリア・アメリカ大陸へも広がり、いまや約80億人に近づく勢いで地球上に暮らしている。本講座では、ヒトの進化をゲノム人類学の立場から解説し、ヒトの未来を考える。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 10/23 古代ゲノム学とはなにか? 2022年ノーベル生理学・医学賞は、マックスプランク進化人類学研究所のスヴァンテ・ペーボへおくられた。ペーボ博士が創始した「古代ゲノム学」とはどんな学問なのだろうか?第1回目では、人類進化のストーリーを大きく変えた最新の研究成果を楽しむ。
2 10/30 DNA・遺伝子・ゲノム 2003年のヒトゲノム解読完了宣言以来、ここ20年あまりでゲノム科学は飛躍的に進歩した。その軌跡を追いつつ、そもそも「ゲノム」とは何か?「DNA」と「遺伝子」は何が違うのか?など、生命科学を理解するために必須となる基本概念を理解する。
3 11/06 「進化」の誤解 1859年に出版された『種の起源』は、その後の世界に大きな影響を与えた。しかし「チャールズ・ダーウインが進化を発見した」は間違いで、世間で知られている”生物進化”は多くの誤解にまみれている。そんな誤解について解説し、さらに中立進化理論など、現代の分子進化学について理解を深める。
4 11/13 性と社会をゲノムから見る チンパンジーとゴリラの性はヒトとどのように違うのか?性は社会の構造にどのような影響をあたえるのか?縄文人の社会では?一方の性に偏った移住や交雑は、遺伝子頻度に影響を与える。ヒトの行動や文化を性と社会構造の観点からゲノム情報にもとづいて切り込む。そして、私たち「人間」の成り立ちについて考える。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆本講座は2023年度秋学期に八丁堀校で開講した同名講座とほぼ同内容となっています。
◆参考書籍として以下をお読みいただくと、より理解が深まります(購入は必須ではありません)。
『古代ゲノムから見たサピエンス史』太田博樹 著 (吉川弘文館)(ISBN:978-4642059657)
『遺伝人類学入門』太田博樹 著(筑摩書房)(ISBN:978-4480071385)
『ヒトは病気とともに進化した』太田博樹、長谷川眞理子 共編(勁草書房)(ISBN:978-4326199457)

講師紹介

太田 博樹
東京大学大学院教授
1968年生まれ。1997年、東京大学大学院理学系研究科にて博士(理学)修得。マックスプランク進化人類学研究所(1999年〜)およびイエール大学医学部(2001年〜)での博士研究員を経て、2005年、東京大学大学院新領域創成科学研究科にて助教。2010年、北里大学医学部にて准教授。2019年より現職。専門は人類集団遺伝学、分子人類進化学、ゲノム人類学。
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