ジャンル 人間の探求
早稲田校
日本の哲学入門―「無」の哲学の系譜
田中 久文(日本女子大学名誉教授)

曜日 | 水曜日 |
---|---|
時間 | 13:10~14:40 |
日程 |
全5回
・09月25日 ~
12月11日 (日程詳細) 09/25, 10/09, 10/23, 11/13, 12/11 |
コード | 130508 |
定員 | 30名 |
単位数 | 1 |
会員価格 | 受講料 ¥ 14,850 |
ビジター価格 | 受講料 ¥ 17,077 |
目標
・日本の哲学の概略を理解する。
・日本独自の「無」の哲学について理解する。
講義概要
日本の近代哲学の底流には、仏教にもつながる「無」の系譜というものがある。最初に「無」の哲学を打ち立てたのは西田幾多郎であった。西田はそれによって、西洋哲学を乗り越える独自の哲学を考えようとした。田辺元は「無」の哲学を継承しながらも西田を批判し、それを「行」という実践に結び付けようとした。さらに和辻哲郎は人と人との「間柄」の根底に「無」をみようとし、高橋里美は「無」を「和解」の方法と考え、山内得立は「無」を「レンマ」の論理として理論化した。以上、日本の「無」の哲学の系譜を分かり易く解説する。
各回の講義予定
回 | 日程 | 講座内容 | |
---|---|---|---|
1 | 09/25 | 西田幾多郎 「無」の哲学の創始 | 「無」の哲学を最初に考え、後に大きな影響を与えた西田幾多郎について解説する。 |
2 | 10/09 | 田辺元 「行」ずるものとしての「無」 | 西田哲学を批判し、独自の「無」の哲学を説いた田辺元について解説する。 |
3 | 10/23 | 和辻哲郎 「間柄」を支える「無」 | 「無」の哲学を「間柄」の倫理に応用した和辻哲郎について解説する。 |
4 | 11/13 | 高橋里美 「無」による「和解」 | 「無」の哲学を「和解」の方法として理解しようとした高橋里美について解説する。 |
5 | 12/11 | 山内得立 「レンマ」の論理としての「無」 | 「無」の哲学を「レンマ」という独自の論理として理論化した山内得立について解説する。 |
備考
※講師都合により、11/27は休講になりました。補講は12/11に行います。
講師紹介
- 田中 久文
- 日本女子大学名誉教授
- 1952年生まれ。1976年東京大学文学部倫理学科卒業。1983年同大学院人文科学研究科倫理学専攻博士課程修了。文学博士(東京大学)。専門分野は日本近代哲学。主な著書に『日本の哲学をよむ』(ちくま学芸文庫)、『丸山眞男をよみなおす』(講談社選書メチエ)、『象徴天皇を哲学する』(青土社)、『近代日本思想選 九鬼周造』(ちくま学芸文庫)、『西田幾多郎』(作品社)、『九鬼周造』(講談社学術文庫)