ジャンル 人間の探求

早稲田校

カント「超越論的観念論」入門 『純粋理性批判』「第四誤謬推理」を読む

  • 秋講座

野内 聡(東京電機大学講師)

曜日 土曜日
時間 13:10~14:40
日程 全4回 ・10月12日 ~ 11月30日
(日程詳細)
10/12, 10/26, 11/09, 11/30
コード 130502
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 11,880
ビジター価格 受講料 ¥ 13,662

目標

・「第四誤謬推理」の読解を通じてカント哲学の基本的枠組みを把握する
・「観念」をめぐる近世/近代哲学の問題圏を理解する

講義概要

『純粋理性批判』第一版の「第四誤謬推理」において、カントは自らの立場を「超越論的観念論」と称しました。これは、一方でバークリらに代表される、カント以前の「観念論」の問題圏と重なりつつ、他方でカント以降の「ドイツ観念論」にもつながっていく、近代哲学のターニング・ポイントとも言える重要な考え方です。この「第四誤謬推理」の読解を通じて、カントの基本的な考えの枠組みを把握すると共に、近世/近代哲学を考える一つの視座を得たいと思います。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 10/12 近世/近代哲学における「観念」 いわゆる「観念論」につながる「観念」の使い方は、デカルトに遡ると言われています。まずは、近世/近代哲学における「観念」のあり方について考えていきます。
2 10/26 「誤謬推理」の位置づけ カントが『純粋理性批判』第一版において「観念論」を批判的に検討したのは、「超越論的弁証論」の最初、「私」をめぐる理性の「誤謬推理」の箇所です。「観念論」と「私」、そして「理性」のつながりについて考えます。
3 11/09 超越論的観念性と経験的実在性 カントは、「超越論的」と「経験的」という区別を観念論に対しても導入します。そのさい重要な役割を演じるのが、直観の形式としての空間時間です。観念論と空間時間の関係を考察します。
4 11/30 私の「内」と「外」 「観念論」について考えることは、私の「内」や「外」を批判的に再考することにつながるとカントは考えています。この「内」と「外」をめぐる混乱をカントがどのように整理するのかを見ていきます。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆休講が発生した場合の補講日は12月7日(土)を予定しています。
◆講座では邦訳(複数の邦訳を比較対照します)をもとに進めていきますのでとくに語学力は問いませんが、必要に応じて原文や英訳等も参照しながら、カントが実際に記した「ことば」をできるかぎり忠実に辿っていきたいと思います。

講師紹介

野内 聡
東京電機大学講師
早稲田大学大学院文学研究科哲学専攻博士後期課程満期退学。共編著『交域する哲学』(月曜社)。翻訳『破壊と拡散』(サミュエル・ウェーバー著、月曜社)。共訳『フランスの現象学』(ベルンハルト・ヴァルデンフェルス著、法政大学出版局)、『芸術の至高性』(クリストフ・メンケ著、御茶の水書房)。
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