ジャンル 現代社会と科学

早稲田校

地球環境問題をめぐる国際政治 持続可能な発展、気候変動問題、そしてエネルギー転換

  • 秋講座

太田 宏(早稲田大学名誉教授)

曜日 水曜日
時間 15:05~16:35
日程 全6回 ・10月16日 ~ 11月27日
(日程詳細)
10/16, 10/23, 10/30, 11/06, 11/13, 11/27
コード 130741
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 17,820
ビジター価格 受講料 ¥ 20,493

目標

・持続可能な発展概念の理解を深める。
・国際社会の地球規模の環境問題の取り組みを理解する。
・気候変動問題とエネルギー転換の必要性を理解する。

講義概要

本講座では、地球規模の環境問題に対する国際社会の取り組みを多角的な視点から解説します。まず、持続可能な発展の概念形成とSDGsへの展開を通して、その意味内容の理解を促します。次に、国際社会がどのように地球規模の環境問題に取り組んできたのかを確認した上で、国際政治と環境問題の関わりを明らかにしていきます。さらに、環境問題が安全保障問題へと発展する可能性を探り、気候変動問題が気候危機あるいは気候安全保障問題として国内外の安全保障問題に発展していることを理解します。最後に、気候変動問題とエネルギー問題との関連性を理解した上で、化石燃料から再生可能エネルギーへの転換の必要性と問題点を確認します。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 10/16 グローバル・イシュー:その1 初回の講義では、まず、グローバリゼーションとはどういう現象で、いつ、どのように始まったのかを考えてみる。一例として、社会学の近代化(modernization)の見方・考え方を紹介する。また、具体的なグローバルな課題として、世界の富の不平等と人口の特徴について考察する。
2 10/23 グローバル・イシュー:その2 飢餓の撲滅は人類の永遠の課題になっているが、どこの誰がお腹を空かせているのだろうか。なぜ、いつまでも同じ課題に人類は向き合っているのだろうか。この講義では、世界の食料問題に焦点を絞って、飢餓の現状、飢餓問題の原因、その政策的及び技術的解決策などを批判的に考察する。
3 10/30 持続可能な発展 国際社会には各国の政策を調整する「世界政府」が存在していない。こうした状況にあって、国際社会はどのように国際的な環境や開発問題に取り組んできたのか。持続可能な発展とはどういうことを意味するのか、また、私たちは持続可能な発展の達成度をどのように知るのか、持続可能な開発目標 (SDGs)とはどういうことなのか、といったことを考える。
4 11/06 国際政治と地球環境問題 この講義では、まず、地球環境問題がどのように国際政治問題になったのかという問いを足がかりに、地球の温暖化などによる地球環境問題に対する人々の意識の高まりや地球サミットなどによる国際社会の取り組みを振り返る。次に、「世界政府」が存在していない国際社会ではあるが、国際条約による国際的な協力関係を通して、気候変動問題や生物多様性の喪失問題などの解決がはかられていることを理解する。
5 11/13 環境安全保障と気候安全保障 環境破壊や気候変動に起因していると考えられる日本各地の土砂崩れ災害、オーストラリアやアメリカでの森林火災など、集中豪雨や旱魃による大規模災害が世界的に頻発している。本講義では環境破壊や気候変動が原因で紛争が発生する可能性があるのか、環境安全保障や気候安全保障という考え方は人々の問題意識を高めるのに役立つのか、という疑問を中心に人類社会の安全および安寧と環境問題との関係を深掘りする。
6 11/27 世界のエネルギー需給と気候変動問題:エネルギー転換の地政学とガバナンス まず、依然として化石燃料が中心である世界のエネルギー需給状況を確認する。その上で、気候変動に関する政府間機関(IPCC)による気候変動危機に関する報告と世界的に大幅な二酸化炭素(CO2)排出削減の必要性について概観する。日本・E U・米国・中国を含むCO2主要排出国の再生可能エネルギー開発や省エネ技術開発による脱炭素の取り組みについて触れ、パリ協定(2016年発効)の2050年カーボンニュートラル目標達成のために各国は国際的に協調するとともに、再エネ・省エネ技術開発競争も繰り広げる現状に触れる。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆本講座は、担当講師の過去の同名講座をもとに、新たな知見を加え刷新された内容となっています。

備考

※講師都合により、11/20は休講になりました。補講は11/27に行います。

講師紹介

太田 宏
早稲田大学名誉教授
青山学院大学国際政治経済学部教授を経て早稲田大学国際教養学部教授。主な著書に、太田宏『主要国の環境とエネルギーをめぐる比較政治―持続可能社会への選択』(東信堂)や太田宏・毛利勝彦編著『持続可能な地球環境を未来へ』(大学教育出版)などがある。
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