ジャンル 人間の探求

早稲田校

身近な例から学ぶ心と頭のしくみ 認知心理学への招待

  • 秋講座

宮脇 郁(実践女子大学講師)

曜日 土曜日
時間 13:10~16:35 ※途中休憩をはさみます。
日程 全5回 ・10月12日 ~ 11月16日
(日程詳細)
10/12, 10/19, 10/26, 11/09, 11/16
コード 130531
定員 30名
単位数 2
会員価格 受講料 ¥ 29,700
ビジター価格 受講料 ¥ 34,155

目標

・認知心理学を学ぶことにより、私たちが日々行っている知的活動に関心を持ち、その仕組みを理解します。
・認知心理学が私たちの生活にどのように応用されているかを学びます。

講義概要

私たちは毎日の生活の中で、何かを見たり、記憶したりなどの知的活動を当たり前のように行っています。しかし実は自分でも気づかないうちにたくさんの錯覚や記憶違いをおかすなど、人間の知的活動にはたくさんの「不思議」が隠れています。認知心理学とは知的活動の仕組みを探る心理学です。この講義では認知心理学の主要なトピックをいくつか学ぶことにより、日常生活の中で私たちが何気なく行っている知的活動の「不思議」に迫っていきます。講義が中心ですが、体験的な理解もめざすため、折にふれて簡単な実験や映像視聴も行います。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 10/12 認知心理学とは:記憶を例に、目撃証言と記憶:証言はあてになるか 前半:認知心理学とは、平たくいえば「頭のしくみをさぐる心理学」です。初回は認知心理学がどのような分野か紹介します。その際、認知心理学の主要なトピックの1つである「記憶」を例に説明します。
後半:認知心理学は日常生活にも応用されています。そのような応用分野である目撃証言の研究を紹介します。事件や事故を目撃した人は、記憶に基づいて証言するわけですが、はたして目撃証言はあてになるのでしょうか。
2 10/19 知覚:錯覚を通して見えるもの、知識:世界のとらえかたが変わる 前半:私たちはふだん特別な努力もなくものを見たり聞いたりしていますが、実はそこには複雑なしくみがあります。錯覚を例に、知覚のしくみを探ってみましょう。
後半:現代はネットで検索すれば簡単に膨大な量の知識が手に入るので、頭の中に知識を蓄える必要がないようにも思えます。はたしてそれは本当でしょうか?頭の中に知識を持つことの効果を考えてみましょう。
3 10/26 言語:言葉を身につける道筋、注意:注意を向けなかった対象は 前半:人間は複雑な言語を操る能力を持っています。子どもがどのように言葉を身につけ、そこにはどのようなハードルが隠れているのか見てましょう。
後半:近年「歩きスマホ」が問題視されるように、私たちは何かに注意を向けると、それ以外の対象はあまり認識できなくなってしまいます。注意を向けなかった対象は、はたしてどのくらい認識されるのか見てみましょう。
4 11/09 意思決定:人生は決断の連続、認知工学:使いやすい道具とは 前半:私たちは日々何かを選択し決断しています。はたして私たちはどのくらい合理的な意思決定をしているのでしょうか。意思決定のさまざまなクイズを考えながら、私たちの意思決定の性質を見てみましょう。
後半:現代は誰もが携帯電話やパソコンを持っているというように、高機能な機械にあふれていますが、しばしばその使い方がわからず困ってしまいます。使いやすい道具と使いにくい道具とはどのようなものなのか、人間の知的なしくみという観点から考えてみます。
5 11/16 認知バイアス:認知にはクセがある、人間の思考:想像する力 前半:近年、人間の認知にはさまざまなクセがあることが話題になっています。「アンコンシャス・バイアス」など、私たちが日常よく陥ってしまうクセを見てみましょう。
後半:「人間は考える葦である」という言葉があるように、人間は優れた思考力を持っています。最後の授業では、人間の思考力のすばらしさを「想像力」をキーワードにみてみましょう。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆休講が発生した場合の補講日は11月30日(土)を予定しています。
◆本講座は2023年度秋の同名講座の内容に、一部新たな知見を加えて再編成したものです。

講師紹介

宮脇 郁
実践女子大学講師
早稲田大学第一文学部卒業後、同大学院文学研究科博士課程単位取得満期退学。博士(文学)。専門分野は認知心理学。著書に、『学習における意図の制御機能』(早稲田大学出版部)、『認知心理学ラボラトリー』(弘文堂、分担執筆)、『新版 発達・学習の心理学』(北樹出版、分担執筆)などがある。
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