ジャンル 世界を知る

早稲田校

古代メソポタミア史料講読 古代メソポタミアの暦法と祝祭・市民たちの宗教生活と信仰

  • 秋講座

川崎 康司(早稲田大学講師)

曜日 火曜日
時間 10:40~12:10
日程 全10回 ・10月01日 ~ 12月03日
(日程詳細)
10/01, 10/08, 10/15, 10/22, 10/29, 11/05, 11/12, 11/19, 11/26, 12/03
コード 130317
定員 30名
単位数 2
会員価格 受講料 ¥ 29,700
ビジター価格 受講料 ¥ 34,155

目標

・古代メソポタミア文明期における暦法と祝祭の概要を知る。
・古代メソポタミア世界から出土した様々な資料を読解しその歴史的意味を理解する。
・市民の日常生活と信仰のあり方を知り、現代の日本社会との共通点・相違点を考える。
・歴史資料としての各種楔形文字資料(邦訳)の分析力を身に付ける。

講義概要

古代メソポタミア文明期の人々が残した様々な楔形文字史料(邦訳はプリントして毎回配付予定)の講読を通して、それらの史料から読み解くことができる歴史・文化・宗教・社会・経済の様相を解説していく講座です。
関連する当時の楔形文字史料―書簡・宗教文学作品など―を受講者とともに講読しながら、前2千年紀初頭の都市社会に生きた一般市民たちの日常や宗教生活の実態解明を進めていきます。春学期に引き続いて暦法の変遷とその意味を概観し、共通の生活規範であった祝祭、個人的なまじないや葬祭などの具体例を通して、当時の民間レベルの人々の人生観や家族生活に関する理解を深めていきたいと考えます。新規受講生も歓迎します。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 10/01 「家制度」の開始とその宗教的影響−祖先供養と民間信仰の背景−(春学期の講義概要) 資料講読を進めるための歴史的な背景や基本的知識を概説します(前期のまとめ)
2 10/08 古バビロニア時代以前の暦法と祭礼(「ニップル暦」の伝統と祝祭)(春学期の講義概要) 資料講読を進めるための歴史的な背景や基本的知識を概説します(前期のまとめ)
3 10/15 古バビロニア時代の暦法と祝祭(1):「バビロニア標準暦」(シュメールの伝統) 「ニップル暦」を基本とした「バビロニア標準暦」の分析から、民間信仰の拡大を考えます。
4 10/22 古バビロニア時代の暦法と祝祭(2):「バビロニア標準暦」(アッカドの伝統) 「バビロニア標準暦」に加わったセム系の名称から、別系統の伝統に基づく暦と祝祭を考えます。
5 10/29 国家祭礼と王権:「聖婚儀礼」とアキートゥ祭 ウル第3王朝時代に始まった「聖婚儀礼」はバビロニアだけでなくアッシリアでも取り入れられ、やがては「新年祭」や「春分祭」「秋分祭」の中心的祭儀となっていきます。
6 11/05 古バビロニア時代の暦法と祝祭(3):西方起源・その他の暦法 バビロニア地方の伝統とは異なる系統を持つ個別の暦などを解説します。
7 11/12 古アッシリア時代の暦法と祝祭:アッシリア人社会独自の伝統 バビロニア地方の伝統(春から始まる)とは異なるアッシリア暦(秋から始まる)を分析します。
8 11/19 市民の日常生活と民間信仰・祝祭(1):市民の日常生活と神々への祈願・まじない 古バビロニア時代に本格化する民間信仰の実態を書簡資料を中心に見ていきます。また、医学書や呪術書から病人となった人々の対処法を考えます。
9 11/26 市民の日常生活と民間信仰・祝祭(2):様々な社会階層と葬送儀礼 家族間の書簡などの資料を読んで、この問題について探っていきます。
10 12/03 市民の日常生活と民間信仰・祝祭(3):祖先供養と民間信仰 キスプーと呼ばれる祖先供養を中心に当時の民間信仰のあり方を考えます。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆春学期・秋学期で募集しますが、実際には1年を通じて1つのテーマを追う講座として計画を立てております。
◆テーマに関連する解説と資料の邦訳は毎回プリントにて配付予定なので特に教材を購入する必要はありません。
◆資料を整理するためのA4判ファイルをあらかじめご用意ください。

講師紹介

川崎 康司
早稲田大学講師
東京都出身、早稲田大学大学院修了。専攻分野は古代メソポタミア史。主な著訳書は『歴史学の現在―古代オリエント』(共訳、山川出版社)、『世界古代文明誌』(共著、原書房)、『古代オリエント事典』(共著、岩波書店)、『ヨーロッパの分化と統合』(共著、太陽出版)、『朝倉世界地理講座6 西アジア』など。
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