ジャンル 日本の歴史と文化

早稲田校

日本の現代 高度経済成長から現在まで

  • 秋講座

黒川 みどり(静岡大学名誉教授)

曜日 火曜日
時間 10:40~12:10
日程 全10回 ・10月01日 ~ 12月10日
(日程詳細)
10/01, 10/15, 10/22, 10/29, 11/05, 11/12, 11/19, 11/26, 12/03, 12/10
コード 130205
定員 30名
単位数 2
会員価格 受講料 ¥ 29,700
ビジター価格 受講料 ¥ 34,155

目標

・日本現代史の流れを論理的・構造的に理解する。
・1960年池田内閣のもとで行われた高度経済成長政策から、オイル・ショック、冷戦の終焉、等々を経て現在にいたるまでの歴史を理解する。
・〈今〉と向き合うために必要な問題意識を培う。

講義概要

1960年代の高度経済成長の時代から現在までを対象とします。それはほかならぬ私たちの生きてきた同時代史であり、まだ記憶に新しい事柄をもとり上げながら、それらのもつ意味を歴史のなかに位置づけてゆきたいと思います。そうすることで、今日の社会のありようを問い、また自らがそれにどう向き合うかを考えてゆくための一助になればと考えています。具体的な事実、史料を提示しながら進めてゆきます。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 10/01 高度経済成長への邁進 政治の季節から経済の時代への転換がなされて「所得倍増計画」が打ち出され、日本が高度経済成長に邁進していく過程を、その国際的背景にも触れながら明らかにします。またそれにより、都市部では核家族化、三種の神器と台所革命等が進行する一方、農村では兼業化が進むなどの変貌を余儀なくされていくありようをみていきます。
2 10/15 狭山事件と東京オリンピック 東京オリンピックを翌年に控えて引き起こされた狭山事件をとりあげ、合わせて今日明るみに出されてきているいくつもの冤罪事件について考えます。東京オリンピックとそれに伴う新幹線開通、東京改造、当該時代の文化、等にもふれたいと思います。
3 10/22 「市民」をつくる―同和対策審議会答申 高度経済成長のなかでの格差の増大を背景に、同和対策事業が開始されてゆきます。その経過を追い、部落問題を中心にすえながら人権問題について考えます。、
4 10/29 明るみに出る公害 高度経済成長がもたらした陰の側面としての公害問題についてとりあげます。4大公害訴訟のなかでもとくに水俣病に焦点を当てて論じる予定です。当該時期の住民運動や革新自治体の誕生などついても言及したいと思います。
5 11/05 日米安保体制下のアジア 日米関係のなかでアジアとの関係について考えます。とりわけ1965年の日韓基本条約、小笠原諸島返還、日中国交回復などをとりあげます。
6 11/12 大学紛争の時代 「黒人」解放運動などの世界的な流れのなかで、1968年を頂点として展開された大学紛争について、そこで問われたものはなんであったのか、知識人の応答なども視野に入れながら考察します。またウーマン・リブやベ平連の運動、家永教科書裁判についても論及します。
7 11/19 沖縄本土復帰 ヴェトナム戦争を一つの契機として高まる本土復帰運動、そしてそれが実現する過程を追います。合わせて復帰後の沖縄のおかれた問題についても考えてゆきたいと思います。
8 11/26 「経済大国」への道 1970年の大阪万博、田中角栄の登場と「日本列島改造論」、さらには石油ショックを経て、「経済大国」への道を突き進んでいった日本社会のありようを、人びとの生活に視点をあてながら照らし出してゆきます。男女雇用機会均等法成立がもたらしたものとその後の問題についても述べます。
9 12/03 「冷戦」後の政治・社会 戦後の大きな枠組みであった「冷戦」の終焉はなにをもたらしたのか。その後のた天安門事件、バブルの崩壊、代替わり、湾岸戦争、細川連立政権の誕生に伴う55年体制の崩壊、オウム真理教事件をはじめとする諸事項について述べながら、今日の問題につなげてゆきたいと考えています。
10 12/10 〈今〉を問う 主として3・11以後に突き出されてきた問題を考えます。原発、徴用工・慰安婦問題等アジアから問われる戦争責任、セクシャル・マイノリティ、アイヌ、等々、をふり返りながら、私たちのを問い、本講義のまとめとしたいと思います。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆本講座は2024年春期の続きの時代をやりますが、必ずしも春期を受講していただいている必要はありません。

講師紹介

黒川 みどり
静岡大学名誉教授
博士(文学、早稲田大学)。専門分野は日本近現代史・思想史・部落史。主著に『共同性の復権―大山郁夫研究』(信山社)、『評伝 竹内好』(共著、有志舎)、『評伝 丸山眞男』(有志舎)、『描かれた被差別部落―映画のなかの自画像と他者像』(岩波書店)、『被差別部落認識の歴史』(岩波現代文庫)、『差別の日本近現代史』(共著、岩波現代全書)、『増補 近代部落史』平凡社ライブラリー)、『被差別部落に生まれて―石川一雄が語る狭山事件』(岩波書店)、『評伝 丸山眞男 その思想と生涯』(有志舎)など。これまでに早稲田大学・立教大学(現在)、東京大学、千葉大学等講師を務める。高校日本史教科書(実教出版)執筆。

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