ジャンル 世界を知る

中野校

映画・ドラマから見る世界 タイムスリップ作品を通じて考える文化と社会と「私」

  • 夏講座

安井 裕司(駒沢女子大学教授)

曜日 火曜日
時間 10:40~12:10
日程 全5回 ・07月30日 ~ 09月10日
(日程詳細)
07/30, 08/06, 08/20, 09/03, 09/10
コード 320306
定員 24名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 14,850
ビジター価格 受講料 ¥ 17,077

目標

・タイムスリップをテーマとした映像作品が、何を描き出そうとしているかを考える。
・タイムスリップで描き出される社会や文化を比較して、時代を相対化する。

講義概要

タイムスリップによって、主人公が未来に行く、あるいは過去に行くことで主人公の生まれた世界(社会)と出かけた先の世界(社会)の等身大の比較が可能となる映像作品は少なくありません。タイムスリップ作品は、むしろ、それぞれの時代の文化や社会を比較することで「今」あるいは「昔」を相対化することをテーマの一つとしているといえます。そして、その比較が主人公の人生に投影された際、私たちは(観衆は)時代を乗り越えた価値観を得ることになります。タイムスリップ作品の醍醐味を味わいます。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 07/30 映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985年)、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャーPart II』(1989年) 映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985年)スピルバーグ製作総指揮、ロバート・ゼメキス監督作品。エメット・ブラウン博士(ドク)が開発したタイムマシンの誤作動で、高校生マーティは1955年にタイムスリップしてしまう。『バック・トゥ・ザ・フューチャーPart II』(1989年)マーティとドクは未来の微調整のために2015年にタイムトリップするが、その結果、現在が大きく変化してしまう。それを修正するために、マーティたちは1955年にタイムトリップする。
2 08/06 映画『ミッドナイト・イン・パリ』(2011年)、映画『ベル・エポックでもう一度』(2019年) 映画『ミッドナイト・イン・パリ』(2011年)今日のパリ。米国の脚本家ギルが夜中のパリで、突如現れたアンティークカーに乗り込み、降りると、そこはギルの憧れの1920代のパリがあった。そして、次々に当時の超有名人たちに出会う。映画『ベル・エポックでもう一度』(2019年)1980年代の一世を風靡したイラストレーターだったヴィクトルも60代となり、時代に取り残されて仕事もない。妻とも喧嘩し、家を追い出されてしまうが、そんな時、息子に過去を疑似体験できる「タイムトラベルサービス」を貰っていたことを思い出す。彼は1974年5月16日のリヨンのカフェ「ラ・ベル・エポック」を、自らの絵をもとに再現するように依頼する。
3 08/20 映画『タイム・アフター・タイム』(1979年) 舞台は1893年のロンドン。作家H・G・ウェルズの家に友人たちが集まっていた。ウェルズは、友人たちに彼の発明した「タイムマシン」を披露する。しかし、発明したウェルズは「タイムマシン」に乗って未来や過去に行くことに躊躇していた。実は、その場にいたウェルズの友人の一人であった医師のスティ―ブンソンは、当時悪名を馳せていた娼婦殺しの「切り裂きジャック」であった。そして、スティーブンソンは紹介されたばかりのタイムマシーンで未来に逃げてしまう。責任を感じたウェルズは、勇気をもってタイムマシンで後を追うと、そこは1979年の米国サンフランシスコだった。
4 09/03 映画『テルマエ・ロマエ』(2012年) 古代ローマの風呂場設計師のルシウスは、ある日、現代の日本にタイムスリップしてしまう。そして、そこで「平たい顔族(=日本人)」の洗練された風呂文化に衝撃を受ける。ルシウスは、古代ローマに戻りその日本の風呂文化のアイデアを用いた斬新な浴場作りを実施する。その業績は、ローマ皇帝ハドリアヌスの目にも止まり、ルシウスは大浴場を作るように命じられる。
5 09/10 映画『不適切にもほどがある! 』(2024年) 1986年、東京。妻を亡くし、不良娘と2人で暮らす中学の体育教師の小川市郎は、ある日、学校からの帰りに乗った路線バスに乗ると、38年後の2024年の東京にタイムスリップしてしまう。行きつけの喫茶店は2024年においても存在していたが、店に入ると様子が異なる。お店で、子ども連れの女性・犬島渚に出会った市郎は彼女に一目ぼれするが、喫茶店のトイレに入ると、意図せず1986年に戻ってしまった。その後も市郎は、バスと喫茶店を拠点に1986年と2024年を行き来していると、市郎の歯に衣着せぬ昭和的な言動が、2024年で注目を浴びるようになっていく。

備考

・8月27日は休講となりました。補講は9月10日に行います。

講師紹介

安井 裕司
駒沢女子大学教授
栃木県出身。英国バーミンガム大学大学院博士課程修了(PhD)。ルーマニア・アカデミー歴史学研究所研究生、(在北アイルランド)国連大学国際紛争研究所インターン、法政大学国際日本学研究所客員研究員、日本経済大学神戸三宮キャンパス教授を経て現職。NPO法人・大阪ユネスコ協会理事。
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