ジャンル 人間の探求

早稲田校

「空」と「空性」 「般若」から「縁起」へ

  • 夏講座

齋藤 直樹(早稲田大学講師)

曜日 水曜日
時間 15:05~16:35
日程 全6回 ・07月17日 ~ 08月28日
(日程詳細)
07/17, 07/24, 07/31, 08/07, 08/21, 08/28
コード 120508
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 17,820
ビジター価格 受講料 ¥ 20,493

目標

・『八千頌般若経』と『般若心経』に説かれる「空性」の意味を考える
・『中論』における「空」と「空性」の相違を明確にする
・「存在」の反対としての「生成」を理解する

講義概要

現存する最古の大乗経典『八千頌般若経』(ca. 1. C.E.) ならびにその派生的教説である『般若心経』においては「空性」の知と「叡智至高性(「般若」)」の知が密接な係わりのなかにおかれます。他方龍樹 (ca. 2.-3. C.E.) 作『中論』では「空性」への執着が厳しく戒められています。「空」(空なるもの)と「空性」(空たること)との相違の理解を基礎として、さまざまに説かれる諸原理に対する徹底した無執着の優位性を唱える仏教的思想の一つの伝統的な進路を辿ります。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 07/17 『八千頌般若経』の思想 叡智至高性(「般若波羅蜜」)と空性
2 07/24 『般若心経』の真言 空性としての世界
3 07/31 『中論』の核心(一) 依存共起(「縁起」)と多端(「戯論」)
4 08/07 『中論」の核心(二) 四つの否定命題(四句否定)
5 08/21 『中論』の核心(三) 空と空性
6 08/28 『中論』の核心(四) 表示(「假名」)としての「空性」

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆『般若心経』の和訳は、中村元・紀野一義訳注『般若心経・金剛般若経』(岩波文庫)がわかりやすいと思われます。
◆『八千頌般若経』の和訳が『大乗仏典2』(中公文庫)として出版されていますので参考になさってください。
◆『中論』の概要については中村元著『龍樹』(講談社学術文庫)を参考図書として推薦します。

講師紹介

齋藤 直樹
早稲田大学講師
1962年東京都出身。早稲田大学大学院東洋哲学専攻博士課程満期退学後、ドイツ・マールブルク大学にてPh.D.取得。著書『Das Kompendium der moralischen Vollkommenheiten』、論文「転変としての世界」「ナーガールジュナの馬」「「歩行者」の「歩行」」「ガンダルヴァの都城」等がある。
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