ジャンル 世界を知る

中野校

【対面+オンラインのハイブリッド】人物伝で学び直す中国近現代史

  • 春講座

加藤 徹(明治大学教授)

曜日 火曜日
時間 10:40~12:10
日程 全5回 ・05月14日 ~ 06月11日
(日程詳細)
05/14, 05/21, 05/28, 06/04, 06/11
コード 310315
定員 50名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 14,850
ビジター価格 受講料 ¥ 17,077

目標

・私たちが生きている今の時代がこのようになった理由を考える。
・日本史と中国史という枠組みを取り払い、世界的な視野から東アジアを見直す。
・歴史の予備知識がない人にも、身近なことから考える楽しさを体験してもらう。

講義概要

中国史は、国土が広く登場人物も多く、日本人にはとっつきにくい印象があります。特に近現代史は、革命や戦争など激動の時代であるうえ、昨日までの味方が今日の敵となるなど人間関係がくるくる変わるため、さらに複雑怪奇です。しかし視点を変えて、今も昔も変わらない中国人の特徴、という観点から近現代史を見直すと、意外にシンプルで理解しやすい。この講座では、日本とも深い縁があった5人の中国人の生涯をとりあげ、彼らの生き方を通して、中国の近現代史を、豊富な図版を使いながら、予備知識のないかたにもわかりやすく解説します。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 05/14 孫文(1866−1925) おおぼら吹きから近代中国の国父へ 中国革命の指導者として活動していた孫文(そんぶん Sun Wen)は、1905年、東京で中国革命同盟会を結成し、三民主義を綱領としました。彼は、宮崎滔天(みやざきとうてん)をはじめとする日本人の支援も受けつつ、清朝打倒の革命運動を続け、辛亥革命で中華民国の臨時大総統に就任しました。孫文の理想と挫折、日本とのかかわりなどを、中国史の予備知識がないかたにも、わかりやすく解説します。
2 05/21 汪兆銘(1885−1944) 漢民族の裏切り者か信念の平和主義者か 若き日に日本に留学し、孫文の側近として活躍した汪兆銘(おうちょうめい Wang Zhaoming)は、1925年3月の孫文の遺言「革命尚未成功」(革命なお未だ成功せず)の筆記者でもありました。孫文の後継者として中国のリーダーとなるはずだった汪は、日中戦争中、南京の中華民国政府(汪兆銘政権)の主席となったことで、中国では「漢奸」(かんかん)として今も糾弾されています。21世紀の今も評価が定まらない彼の生涯を、わかりやすく解説します。
3 05/28 蒋介石(1887−1975) 重慶や台湾でしぶとくねばった指導者 若き日に日本陸軍の新潟県の砲兵隊で働いた蒋介石(しょうかいせき Jiang Jieshi)は、孫文の後継者として中華民国の統一を達成して国民党のリーダーとなりました。第二次大戦では連合国側に加わり、中国を世界の四大国の一角におしあげました。が、戦後の国共内戦では毛沢東の中国共産党に敗れ、台湾に渡りました。現在の台湾にも多大の影響を残している蒋介石の波瀾の生涯を、わかりやすく解説します。
4 06/04 毛沢東(1893−1976) 21世紀の今も中国を支配するカリスマの謎 清末の農村に生まれた毛沢東(もうたくとう Mao Zedong)は、若き日に日本の西郷隆盛にあこがれ、革命家になり、中国共産党の創設メンバーの一人となりました。外国への留学経験がなかった毛沢東は、「水滸伝」や「西遊記」など中国の民衆がよく知っている物語を比喩として活用し、中国革命の思想を説きました。中華人民共和国を建国をしたあとは、大躍進の失敗や文化大革命の混乱など大きなあやまちも犯しました。毛沢東の生涯を、わかりやすく解説します。
5 06/11 周恩来(1898−1976) 一度も失脚せず政治家の使命をまっとう 大正時代の東京で学んだ周恩来(しゅうおんらい Zhou Enlai)は、中国共産党の古参メンバーですが、国共合作時代には蒋介石の部下だったこともありました。人望も実務能力も高かった周は、ナンバー2に徹し、夢想家肌の毛沢東を支えました。中華人民共和国の建国後、多くの政治家が粛清されるなかで、周恩来は最期まで失脚せず、「文化大革命」で深く傷ついた中国の行く末を案じながら亡くなりました。東京の東中野に暮らしていたこともある周恩来の生涯を、わかりやすく解説します。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆休講が発生した場合の補講日は6月18日を予定しています。
◆本講座は対面でもオンラインでも受講できるハイブリッド講座です。対面・オンラインのご都合の良い形式でご受講いただけます。
◆講師は中野校の教室で講義し、オンラインで同時配信いたします。
◆対面でご受講される方は、通常の対面講座と同様に開講確定後にお送りする教室案内通知記載の教室にお越しください。
◆あらかじめ、加藤徹著『貝と羊の中国人』(新潮新書)をお読みくださると、いっそう理解が深まると思います。
◆テキストはありません。教材はネット上に公開します。教室での対面受講者にはプリントを配付します。
◆オンラインで受講される方はオンライン講座と同様にマイページからご受講ください。
◆オンラインは、Zoomのウェビナー形式を使用しています。
◆オンラインでの受講予定の方はお申込みの前に必ず「オンラインでのご受講にあたって」をご確認ください。
◆本講座の動画は、当該講座実施の翌々日(休業日を除く)17:30までに公開します。インターネット上で1週間のご視聴が可能です。視聴方法は、以下をご確認ください。
【会員】授業動画の視聴方法(会員向け)
【ビジター・法人会員】授業動画の視聴方法(ビジター・法人会員向け)

講師紹介

加藤 徹
明治大学教授
1963年、東京生まれ。東京大学中文科を卒業後、同大学院人文科学研究科博士課程単位取得満期退学。文学修士。専門は京劇(中国の伝統演劇)。著書に『京劇』(中公叢書、2002年度サントリー学芸賞受賞)、『西太后』(中公新書、2005年)、『貝と羊の中国人』(新潮新書、2006年)、『漢文の素養』(光文社新書、2006年)その他がある。2023年度NHKラジオ中国語講座「まいにち中国語」講師。
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