ジャンル 文学の心

早稲田校

『枕草子』を読む 「日記的章段」―中宮定子一族没落後の記事

  • 春講座

田畑 千恵子(元早稲田大学講師)

曜日 火曜日
時間 10:40~12:10
日程 全10回 ・04月09日 ~ 06月18日
(日程詳細)
04/09, 04/16, 04/23, 05/07, 05/14, 05/21, 05/28, 06/04, 06/11, 06/18
コード 110105
定員 30名
単位数 2
会員価格 受講料 ¥ 29,700
ビジター価格 受講料 ¥ 34,155

目標

・『枕草子』の本文を読み味わうとともに、作品の本質について理解を深める。
・平安時代中期の宮廷・上流貴族社会の様相を知る。
・歴史物語など他作品にも登場する人物の逸話を知る。

講義概要

今回の講座では、日記的章段(実録的章段)と呼ばれる宮仕え生活での見聞を記した章段群の中から、主君にあたる中宮定子の一族が、定子の父道隆の死や兄弟たちの不祥事を経て権勢を失い没落して行った頃の記事を扱います。繁栄時の記事に登場した主家の人々に代わって、藤原斉信・藤原行成など殿上人との機知の応酬を描いたものが増えています。繁栄時の章段とは異なる描き方が模索されたようです。時間をかけて本文を丁寧に読み進めながら、『枕草子』の賛美表現の特徴や作品としての論理などにも目を向けていきたいと考えています。なお、随時プリントを配付し必要な事柄は解説しますので、歴史的背景や作品に関する予備知識は必要ありません。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 04/09   ※以下の予定は、講義の進行状況によって、一部変更することがあります。
○作品性格・歴史的背景についての概説。
○長徳元年から二年の記事についての概説。
○藤原斉信関係章段―78段「頭の中将の、すずろなるそら言を聞きて」(草の庵)。
2 04/16   ○藤原斉信関係の章段―78段の続き。156段「故殿の御服のころ」・130段「故殿の御ために」など。
3 04/23   ○藤原斉信関係の章段―第2回の続き。
4 05/07   ○藤原斉信関係の章段―第3の続き。まとめ。
5 05/14   ○長徳二年の政変―花山院奉射事件と伊周・隆家の失脚。
○『枕草子』草稿本の流布の背景。
○79段「返る年の二月廿日よ日」
6 05/21   ○79段の続き。
7 05/28   ○138段「殿などのおはしまさで後」
8 06/04   ○橘則光(清少納言の前夫)をめぐる逸話―80段「里にまかでたるに」など
9 06/11   ○第8回の続き。
○藤原行成関係の章段―131段「頭の弁の職に」(鳥のそら音)など。
10 06/18   ○第9回の続き。
○まとめ。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆『枕草子』は各段が独立した性格を有する作品で、各段の配列も伝本により異なります。そのため、段数順に読み進めるのではなく、内容的に近いものをグループ化して取り上げる予定です。
◆2018年春学期の同名講座と、ほぼ重なる内容です。
◆2023年秋学期の続きにはなりますが、今回からのご受講でも支障はありません。
◆初回開始頁―上巻91頁。

テキスト

テキスト
『新版 枕草子 上巻 現代語訳付き』(角川ソフィア文庫)(ISBN:978-4044026011)
『新版 枕草子 下巻 現代語訳付き』(角川ソフィア文庫)(ISBN:978-4044026028)

講師紹介

田畑 千恵子
元早稲田大学講師
早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得。専門分野は平安時代の散文(『枕草子』・日記文学)。早稲田大学及び複数の大学で学部生の指導を担当してきた。主要論文「枕草子『かへる年の二月二十余日』の段の位相」(『日本文学研究資料新集 四』有精堂)、「枕草子日記的章段の方法」(『中古文学』36号)など。
  • 外国語 コースレベル選択の目安
  • 広報誌「早稲田の杜」
  • オープンカレッジ友の店