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「楽典」から読み解く西洋音楽史 成り立ち、仕組み、進化の歴史

  • 冬講座

舟橋 三十子(浜松学院大学短期大学部客員教授)

曜日 水曜日
時間 15:30~17:00
日程 全4回 ・01月17日 ~ 02月07日
(日程詳細)
01/17, 01/24, 01/31, 02/07
コード 740405
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 11,880
ビジター価格 受講料 ¥ 13,662

目標

・「楽典」という言葉から連想される堅苦しい音楽の規則や文法の話ではなく、「楽典」の成り立ちを振り返りながら、古代から現代までの音楽作品を鑑賞・演奏する際の音楽ガイドとしての知識を学ぶ。
・曲を構成する土台である「楽典」の多面的な解釈・仕組みから、それらが生まれた時代背景を知り、進化の歴史について理解を深める。
・一般的にクラシック音楽は敷居が高いというイメージがあり、その理由として楽譜通りに演奏すること、演奏の解釈が自由にできない等が挙げられる。しかし、音楽のルールや決まり事を知ることによって、音楽を楽しく、もっと身近に感じてくるはずである。

講義概要

言語に国文法や英文法などがあるように、音楽にも「楽典」という規則があります。この講座では、従来のような歴史に基づいた西洋音楽史を学ぶのではなく、どのようにしてこの音楽の決まりが生まれ、変化していったのかを考えていきます。
時代の流れや楽器の改良等の影響を受けつつ、現在のルールに定着していった過程を知ることで、今まで何回も聴いていた音楽作品を、これまでとは違ったアプローチで聴き、演奏することができるようになります。堅苦しいと思っていた音楽の法則は、理解を深めるためにあるのだということにも気がつくでしょう。西洋音楽を、さらに深く享受できるようになる講座です。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 01/17 音楽はインターナショナル・ランゲージ 音楽は世界共通の言語ですから、細かいことが分からなくても、世界中どこでも通じます。楽譜が存在しなかった古代ギリシャやローマ帝国の頃の音楽はどのように伝わり、だれが楽譜に起こしていったのでしょうか。
音符などの音楽の記号や音楽に関係する文字が生まれた過程を遡ると、どのように音楽が伝わり残ってきたかの歴史が分かります。また、パトロンとしての教会や貴族の存在も、芸術が続いてきた大きな要因になっているのです。現在とは異なる社会情勢の中で、音楽はどのような存在だったのでしょうか。
2 01/24 国によって異なる音楽表現 西洋音楽(洋楽)と日本音楽(邦楽)の大きな違いとは何でしょう。特に拍子とリズム(西洋人と日本人のリズム感の違い)からその相違を明らかにしてみます。
自然を克服する狩猟民族である西洋人と、自然を畏怖する農耕民族である日本人とでは、生活形態や考え方が異なるのは当然で、これらの違いが音楽に与える影響は大きいものになります。
例えば、休符、いわゆる「お休み」のとり方が大きく異なります。西洋音楽では、基本的に拍をきちんと取ることが根本にありますが、日本音楽では、邦楽独特の不規則な「間」が音楽表現で大事になっており、楽譜に書けない点でもあるのです。
3 01/31 音楽用語と音楽記号 作曲家が考えた細かい意味やニュアンスを音楽用語で表現するには、どうしても限界があります。そのため、自分の国の言葉で書き表した作曲家もいます。ドビュッシーやラヴェルはフランス語で、マーラーやブルックナーはドイツ語で細かい指示を書いています。
さらに音部記号は、なぜ何種類もあるのでしょう。ト音記号、へ音記号、ハ音記号、それぞれの歴史とその存在理由を探ってみましょう。
また、楽器によって演奏しやすい調や作曲家の好きな調など、調にまつわるあれこれをお話しします。音を聴いて色が見えると言われる作曲家の作品も聴いてみましょう。
4 02/07 音楽と言語の結びつき イタリアの日常生活で現在使われている言葉や記号の中には、音楽との結びつきが強いものが多く、長い歴史を感じさせます。現在も通用する身近なイタリア語と音楽用語の関係を紐解いてみましょう。それらを読み解くことで、音楽の鑑賞や演奏の楽しみも倍になります。もしかしたら、イタリア旅行にも使えるかもしれませんね。
また、多くの歌曲はイタリア語、ドイツ語、フランス語等で歌われることが多いのですが、言語毎に比較すると曲自体の印象も変わってきます。特に、抑揚が少ない日本語は、歌曲として歌うのが難しいと言われる言語ですが、それはなぜでしょうか。その秘密も探っていきましょう。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆講師著書『和音の正体』(ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス)を参考図書といたします。
◆休講が発生した場合の補講は、2月14日(水)を予定しております。
◆Zoomウェビナーを使用したオンライン講座です。
◆お申込みの前に必ず「オンラインでのご受講にあたって」をご確認ください。
◆本講座の動画は、当該講座実施の翌々日(休業日を除く)17:30までに公開します。インターネット上で1週間のご視聴が可能です。視聴方法は、以下をご確認ください。【会員】授業動画の視聴方法(会員向け) 【ビジター・法人会員】授業動画の視聴方法(ビジター・法人会員向け)

講師紹介

舟橋 三十子
浜松学院大学短期大学部客員教授
東京藝術大学卒、同大学院修了。日本大学講師、名古屋芸術大学大学院教授を経て、現在、浜松学院大学短期大学部客員教授。専門は音楽理論。
著書に『ブルクミュラーレッスン10分ドリル!』『和音の正体』『形式から理解するクラシック』『クラシックのからくり』(ヤマハ)、『名曲で学ぶ音楽の基礎』(音楽之友社)、『はじめてのソルフェージュ』『ミュージック・トレーニング』(全音楽譜出版社)、訳書に『音楽の基礎練習』(カワイ出版)、『シューベルトを歌いながら学ぼう』『モーツァルトを歌いながら学ぼう』『シューマンを歌いながら学ぼう』『音楽家への第一歩』(パリ・A.Leduc社)等がある。
http://www.formationmusicale.net/
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