ジャンル 現代社会と科学
中野校
宇沢弘文の社会的共通資本を考える
小島 寛之(帝京大学特任教授)
曜日 | 金曜日 |
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時間 | 15:05~16:35 |
日程 |
全3回
・02月02日 ~
02月16日 (日程詳細) 02/02, 02/09, 02/16 |
コード | 340701 |
定員 | 24名 |
単位数 | 1 |
会員価格 | 受講料 ¥ 8,910 |
ビジター価格 | 受講料 ¥ 10,246 |
目標
宇沢弘文の経済学を理解する。
講義概要
宇沢弘文は日本を代表する経済学者で、ノーベル経済学賞に最も近いと言われていました。主流派の経済学で多くの業績をあげたあと、制度学派という分野において独自の「社会的共通資本の理論」を提唱しました。「社会的共通資本の理論」とは、一言で言うなら「カネよりモノ」という発想です。自然環境、社会インフラ、教育、医療など公共のものを中心に、社会を管理・運営する理論なのです。この理論を通じて、市民が豊かで幸せに暮らせる安定した社会とは何であるかを考えます。
各回の講義予定
回 | 日程 | 講座内容 | |
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1 | 02/02 | 宇沢弘文と社会的共通資本の理論 | この講義では、経済学者・宇沢弘文の履歴と業績を紹介します。特に、制度学派として打ち立てた「社会的共通資本の理論」とは何かについて概説します。この理論は、自然環境・社会インフラ・教育・医療など公共のものを中心に、社会を管理・運営する理論です。この理論を軸に「幸せで豊かな社会」とは何かを考察します。 |
2 | 02/09 | どのように自然環境を守ればよいか。 | 宇沢弘文は、自然環境を守る経済学を考えました。代表的なものは地球温暖化問題へのアプローチです。とくに排出権をGDPに比例させる宇沢公式は有名です。宇沢はこの業績でブルー・プラネット賞を受賞しました。この講義では、社会的共通資本としての自然環境について、宇沢のアプローチを紹介します。 |
3 | 02/16 | 社会的共通資本としての医療 | 宇沢は社会的共通資本として、とくに教育と医療に注目しました。これらは単なるサービスではなく、基本的人権に関わる社会制度だからです。この講義では、医療制度を中心にして豊かで幸せな社会を作る構想をお話します。 |
ご受講に際して(持物、注意事項)
◆休講が発生した場合の補講は、3月1日(金)を予定しています。
◆参考図書として、『宇沢弘文の数学』青土社、『数学的思考の技術』ベスト新書の第2部をお読みいただくと、より理解が深まると思います。
講師紹介
- 小島 寛之
- 帝京大学特任教授
- 東京大学理学部数学科を卒業後、同大学院経済学研究科に進学。経済学博士。数学エッセイスト。著作は、『世界は素数でできている』角川新書、『素数ほどステキな数はない』技術評論社、『無限を読みとく数学入門』角川ソフィア文庫、『数学入門』筑摩新書など。