ジャンル 現代社会と科学

早稲田校

土と日本人 私たちは本当に自然と共生した民族なのか?

  • 秋講座

藤井 一至(国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所主任研究員)

曜日 木曜日
時間 10:40~12:10
日程 全3回 ・11月02日 ~ 11月16日
(日程詳細)
11/02, 11/09, 11/16
コード 130745
定員 34名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 8,910
ビジター価格 受講料 ¥ 10,246

目標

・日本の自然、土壌の特徴を把握し、他地域との共通性、独自性を理解する。
・動植物の分布・生態と土の結びつきを把握し、食文化への影響を理解する。
・日本の自然資源利用の変遷を把握し、食料・環境危機の本質を理解する。

講義概要

日本には、里山に代表されるように、自然との共生を美徳とする風土があるといわれてきました。日本は水と土に恵まれた、豊かな自然環境にあるともいわれます。これは西洋の自然を克服しようという価値観の対極に位置付けられます。しかし、日本の自然について私たちはどれほど理解できているでしょうか。本当に日本の土は世界で一番なのでしょうか。この講義では、①日本の自然、土壌の特徴を他地域と比較して共通性、独自性を理解し、②土の違いによって生じる動植物の多様性が食文化、ひいては日本の歴史に与えた影響を理解し、③日本が現在抱える食糧・環境危機の本質を理解することを目指します。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 11/02 日本の自然、土壌の特徴とは? 大谷石、軽井沢の永久凍土の痕跡、火山灰土壌、縄文土器、水田土壌などを題材に、日本の自然、土壌の特徴を把握し、他地域との共通性、独自性を解説します。
2 11/09 土がもたらす動植物と食文化の多様性 南北に長く火山灰によって異なる地質条件がもたらされた日本列島では、土だけでなく動植物の分布にも大きな違いが生まれ、食文化の地域性、食料生産力の違いを生み出し、歴史にも影響を与えてきたことを解説します。
3 11/16 食糧・環境危機における日本の土の課題と可能性 日本の自然資源利用を復元すると、里山を自然と共生した日本人の美徳とは言い切れない現実に直面します。世界の環境問題と日本の結びつき、酪農を含む現代農業の課題を整理し、日本の土の課題と可能性を解説します。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆休講が発生した場合の補講日は11月30日(木)を予定しています。

講師紹介

藤井 一至
国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所主任研究員
1981年富山県生まれ。土の研究者。国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所主任研究員。京都大学農学研究科博士課程修了。博士(農学)。カナダ極北の永久凍土からインドネシアの熱帯雨林までスコップ片手に世界、日本の各地を飛び回る。第1回日本生態学会奨励賞、第33回日本土壌肥料学会奨励賞、第15回日本農学進歩賞受賞。著書に『土 地球最後のナゾ 100億人を養う土壌を求めて』(光文社、第7回河合隼雄学芸賞受賞)『大地の五億年 せめぎあう土と生き物たち』(山と溪谷社)など。
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