ジャンル 文学の心

早稲田校

安部公房の世界 「闖入者」と「友達」の周辺

  • 冬講座

鳥羽 耕史(早稲田大学教授)

曜日 水曜日
時間 19:00~20:30
日程 全4回 ・01月10日 ~ 01月31日
(日程詳細)
01/10, 01/17, 01/24, 01/31
コード 140149
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 11,880
ビジター価格 受講料 ¥ 13,662

目標

・安部公房という作家についての知識を得る。
・先行研究を踏まえた小説の読解力を身につける。
・20世紀の文学・芸術に対する理解を深める。

講義概要

今年3月7日に生誕100年となる安部公房(1924〜93年)は、戦後の前衛的な芸術運動の中で、次々に新しい表現を試みた作家です。今回の講義では、彼の初期の作品を集めた短編集の中からの三編と、その一つを戯曲化した作品を読み解きます。失業中の「ぼく」が応募する謎の仕事をめぐる「空中楼閣」(1951年)、一人暮らしの「ぼく」のアパートに家族が入りこんでくる「闖入者」(1951年)、それを新しい解釈で戯曲化した「友達」(1967年)、そして旧約聖書を読み換えた「ノアの方舟」(1952年)を読み、彼の様々な実験について考えてみたいと思います。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 01/10 「空中楼閣」(1951年) 「求む工員/空中楼閣建設事務所」というビラを見て応募しようとする失業中の「ぼく」の話をどのように読み解けるか、考えます。
2 01/17 「闖入者」(1951年) 一人暮らしの「ぼく」のアパートに大家族が押しかけてきて、すべてを多数決で決めていくという話の寓意について考えます。
3 01/24 「友達」(1967年) 「闖入者」を自ら改作し、「テーマも、プロットも、まったくちがっている」と自ら称した戯曲の寓意について考えます。
4 01/31 「ノアの方舟」(1952年) 旧約聖書のいくつかのエピソードを使いながら、全く違う「ノア先生」の話になっている短編をどのように読み解けるか、考えます。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆休講が発生した場合の補講は2月7日(水)を予定しています。

テキスト

テキスト
『水中都市・デンドロカカリヤ』(新潮社)(ISBN:978-4101121079)講座で取り上げる作品のうち三つはこの短編集に収録されています。「友達」はプリントを配布します。小説のテキスト自体は資料配付しませんので、受講者ご自身で入手してください。

講師紹介

鳥羽 耕史
早稲田大学教授
1968年、東京都生まれ。早稲田大学大学院文学研究科修了。博士(文学)。専攻は日本近代文学、戦後文化運動。著書に『1950年代―「記録」の時代』(河出書房新社、2010年)、『運動体・安部公房』(一葉社、2007年)、編著に『安部公房 メディアの越境者』(森話社、2013年)がある。
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