ジャンル 文学の心

早稲田校

『枕草子』を読む 「日記的章段」―中宮定子一族盛時の記事­

  • 秋講座

田畑 千恵子(元早稲田大学講師)

曜日 火曜日
時間 10:40~12:10
日程 全10回 ・10月03日 ~ 12月05日
(日程詳細)
10/03, 10/10, 10/17, 10/24, 10/31, 11/07, 11/14, 11/21, 11/28, 12/05
コード 130111
定員 30名
単位数 2
会員価格 受講料 ¥ 29,700
ビジター価格 受講料 ¥ 34,155

目標

・『枕草子』の本文を読み味わうとともに、作品の本質について理解を深める。
・平安時代中期の宮廷・上流貴族社会の様相を知る。
・歴史物語など他作品にも登場する著名な人物の逸話を知る。

講義概要

『枕草子』は約三百段の章段から構成され、各段は内容や文体の違いから、三種類に大別されています。今回の講座では、日記的章段(実録的章段)と呼ばれる、宮仕え生活での見聞を記した章段群の中から、主君にあたる中宮定子一族の盛時を描いた記事を扱います。作中では、定子一族の人々と清少納言の機知あふれる会話や、華やかな宮廷生活の様子が生き生きと描かれています。一段ごとに時間をかけて本文を丁寧に読み進めなから、『枕草子』の賛美表現の特徴や作品としての論理などにも目を向けていきたいと思います。随時資料を配付し、必要な事柄は説明しますので、歴史的背景や作品に関する予備知識は必要ありません。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 10/03   ※以下の予定は、講義の進行状況によって多少変更する場合がありますので、ご了承ください。
・「日記的章段」という名称について。内容と歴史的背景に関する概説。
・179段「宮に初めてまゐりたるころ」
・清少納言の経歴と宮仕えの背景。
2 10/10   ・179段続き。
・定子一族の人々。
3 10/17   ・20段「清涼殿の丑寅の隅」
・平安時代の女性の教養と和歌。
・一条天皇の后妃たち。
4 10/24   ・20段続き。
5 10/31   ・297段「大納言殿まゐりたまひて」など、藤原伊周(定子の兄)の登場する段のまとめ。
6 11/07   ・263段「関白殿、二月二十一日に」(積善寺供養)
7 11/14   ・263段続き。藤原道隆(定子の父)の描かれ方について。
8 11/21   ・100段「淑景舎、春宮に」
藤原原子(定子の妹)の春宮(=東宮)参入。
9 11/28   ・長徳元年の政治情勢と道隆政権について。
・86段「宮の五節出させたまふに」(年中行事を描く段・女房と殿上人との交流)
・藤原実方と清少納言。
10 12/05   ・125段「関白殿、黒戸より」など。
・「枕草子」に描かれる藤原道長。
・まとめ。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆2017年度秋学期とほぼ重なる内容です。
◆『枕草子』は各段が独立した性格を有する作品で、各段の配列も伝本・注釈書により異なります。そのため段数順ではなく内容的に近いものをまとめて取り上げる予定です。指定のテキストをご持参ください。
◆2023年春学期の続きにはなりますが、「日記的章段」は今回からですので、ご受講に支障はありません。
◆初回開始頁―下巻65頁。

テキスト

テキスト
『新版 枕草子 上巻 現代語訳付き』(角川ソフィア文庫)(ISBN:978-4044026011)
『新版 枕草子 下巻 現代語訳付き』(角川ソフィア文庫)(ISBN:978-4044026028)

講師紹介

田畑 千恵子
元早稲田大学講師
早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得。専門分野は平安時代の散文(『枕草子』・日記文学)。早稲田大学及び複数の大学で学部生の指導を担当してきた。主要論文「枕草子『かへる年の二月二十余日』の段の位相」(『日本文学研究資料新集 四』有精堂)、「枕草子日記的章段の方法」(『中古文学』36号)など。
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