ジャンル 現代社会と科学
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ミャンマーを襲った2つの危機
中西 嘉宏(京都大学准教授)

曜日 | 金曜日 |
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時間 | 13:00~14:30 |
日程 |
全5回
・04月14日 ~
05月19日 (日程詳細) 04/14, 04/21, 04/28, 05/12, 05/19 |
コード | 710722 |
定員 | 30名 |
単位数 | 1 |
会員価格 | 受講料 ¥ 14,850 |
ビジター価格 | 受講料 ¥ 17,077 |
目標
・ミャンマーという国の概要について知る。
・民族紛争や軍事クーデターがもたらした危機のメカニズムを理解する。
・ミャンマー政治の今後の行方や日本にできることについて考える。
講義概要
この講義では、東南アジアの国であるミャンマーで近年生じた2つの政治危機を検討する。ひとつめの危機は2017年に起きたラカイン州での紛争、いわゆるロヒンギャ危機である。ムスリムであるロヒンギャの武装勢力とミャンマー軍との間に武力衝突が生じ、その後、ロヒンギャの難民が大量に隣国バングラデシュに流出した事件である。この事件がなぜどのように起きたのかを解説したい。ふたつめの危機は2021年に起きた軍事クーデターとその後の混乱である。ミャンマー軍によるアウンサンスーチーら文民政権幹部の拘束とその後の抵抗する市民への弾圧はどうして起きたのか。その原因を探りたい。
各回の講義予定
回 | 日程 | 講座内容 | |
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1 | 04/14 | ミャンマーの見方 | ミャンマーという国の概要について解説します。日本との関係にも触れながら、この国の成り立ちを中心に学びます。 |
2 | 04/21 | ロヒンギャ危機(1) | ムスリムであるロヒンギャがミャンマーという国でどのような立場に置かれてきたのかを歴史的に検討します。 |
3 | 04/28 | ロヒンギャ危機(2) | 2010年代のミャンマーで進んだ民主化と自由化が宗教紛争にいかに火をつけ、2017年の危機に至ったのかを説明します。危機発生後の国際社会の反応についても検討します。 |
4 | 05/12 | 軍事クーデター(1) | 2021年2月1日に起きた軍事クーデターは長く続いた同国での国軍と民主化勢力との戦いの帰結です。国軍と民主化勢力との戦いの歴史を振り返ります。 |
5 | 05/19 | 軍事クーデター(2) | 軍事クーデターが起きた原因を説明し、その後の市民の抵抗と国軍による弾圧がミャンマーをどう変えているのか、今後の展望や日本との関わりも交えながら検討します。 |
ご受講に際して(持物、注意事項)
◆休講が発生した場合の補講日は5月26日(金)を予定しております。
◆必須ではありませんが、『ロヒンギャ危機ー「民族浄化」の真相』(中公新書、2021)、『ミャンマー現代史』(岩波新書、2022)を事前に読んで授業に臨むと理解がより進みます。
講師紹介
- 中西 嘉宏
- 京都大学准教授
- 京都大学大学院博士課程修了。ミャンマーをはじめとする東南アジア政治の研究を専門とし、大学院では地域研究の教育にも従事している。著書に『軍政ビルマの権力構造―ネーウィン体制下の国家と軍隊(1962-1988)』(京都大学学術出版会、大平正芳記念賞受賞)、『ロヒンギャ危機―「民族浄化」の真相』(中央公論新社、樫山純三賞、アジア・太平洋賞特別賞、サントリー学芸賞受賞)、『ミャンマー現代史』(岩波新書)などがある。