ジャンル 文学の心
早稲田校
安部公房の世界
鳥羽 耕史(早稲田大学教授)

曜日 | 土曜日 |
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時間 | 10:40~12:10 |
日程 |
全4回
・01月14日 ~
02月04日 (日程詳細) 01/14, 01/21, 01/28, 02/04 |
コード | 140149 |
定員 | 30名 |
単位数 | 1 |
会員価格 | 受講料 ¥ 11,880 |
ビジター価格 | 受講料 ¥ 13,662 |
目標
・安部公房という作家についての知識を得る。
・先行研究を踏まえた小説の読解力を身につける。
・20世紀の文学・芸術に対する理解を深める。
講義概要
第二次世界大戦後の文学には、様々な変身や、肉体の変形の話が描かれました。安部公房(1924〜93年)も、そうした話を書いた代表的な作家です。今回の講義では、彼の変形譚の世界を初期の短編小説から紹介します。コモン君の植物への変身を描いた「デンドロカカリヤ」(1949-1952年)、伝書鳩から平和の鳩を経て弾丸までの変身を描いた「手」(1951年)、皮膚の変色への恐怖を描いた「飢えた皮膚」(1951年)、そして老婆から糸を経てジャケツへの変身を描いた「詩人の生涯」(1951年)を読み、変身を描くことにどのような意味があるのか、考えてみたいと思います。
各回の講義予定
回 | 日程 | 講座内容 | |
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1 | 01/14 | 「デンドロカカリヤ」(1949-1952年) | 本多秋五が安部を「変貌の作家」と呼ぶきっかけになったこの短編は1949年に書かれ、1952年に改稿されました。文庫本の1952年版のテキストを読みながら、初出との違いについても言及します。 |
2 | 01/21 | 「手」(1951年) | 伝書鳩と平和の鳩と弾丸という、戦争と平和の寓話のような短編をどのように読み解けるか、考えます。 |
3 | 01/28 | 「飢えた皮膚」(1951年) | 旧満洲を思わせる舞台での、キム夫人への「おれ」の「復讐」を描いた短編で、皮膚の変色のイメージが持つ意味について考えます。 |
4 | 02/04 | 「詩人の生涯」(1951年) | 川本喜八郎の美しいアニメーションでも知られる、革命の寓話のような短編をどのように読み解けるか、考えます。 |
ご受講に際して(持物、注意事項)
◆休講が発生した場合の補講は2月25日(土)を予定しています。
テキスト
テキスト
『水中都市・デンドロカカリヤ』(新潮社)(ISBN:978-4101121079)講座で取り上げる作品はいずれもこの短編集に収録されています。小説のテキスト自体は資料配付しませんので、受講者ご自身で入手してください。
講師紹介
- 鳥羽 耕史
- 早稲田大学教授
- 1968年、東京都生まれ。早稲田大学大学院文学研究科修了。博士(文学)。専攻は日本近代文学、戦後文化運動。著書に『1950年代―「記録」の時代』(河出書房新社、2010年)、『運動体・安部公房』(一葉社、2007年)、編著に『安部公房 メディアの越境者』(森話社、2013年)がある。