ジャンル 現代社会と科学
早稲田校
無国籍から読み解く世界 人権、アイデンティティ、人の移動
陳 天璽(早稲田大学教授)
石井 香世子(立教大学教授)
三谷 純子(早稲田大学講師)
秋山 肇(筑波大学助教)

曜日 | 土曜日 |
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時間 | 10:40~12:10 |
日程 |
全4回
・07月02日 ~
07月23日 (日程詳細) 07/02, 07/09, 07/16, 07/23 |
コード | 120721 |
定員 | 30名 |
単位数 | 1 |
会員価格 | 受講料 ¥ 11,880 |
ビジター価格 | 受講料 ¥ 13,662 |
目標
・無国籍に対する理解を深める。
・無国籍の当事者の視点、当事者の生活や考え方を知る。
・無国籍者が発生する要因、国々や制度のはざまの実体を知る。
・個人と国家、国籍など、無国籍者の視点を通し、これからの国際社会のあり方を考える。
講義概要
国籍は、誰でも持っていて当然だと思っていないだろうか?
本講座では、国籍を有していない無国籍者に着目する。 国連によると、世界には国籍を持たない無国籍者が420万人いると推計されている。無国籍者は日本にも暮らしている。本講座では、日本に暮らす無国籍者のほか、世界各地に生きる無国籍の人々の具体的な事例を紹介する。また、国際法とのかかわりに触れながら、無国籍者が発生する原因、彼らの暮らし、さらには国家や国際社会とのかかわりについて考える。
各回の講義予定
回 | 日程 | 講座内容 | |
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1 | 07/02 | 無国籍に関する国際法:国際法は無国籍者を救えるか? | 国際社会の法である国際法には、無国籍や無国籍者に関連する規定を置いているものがある。なぜ国際法はそのような規定を置いているのだろうか? また、国際法にはどのような意味があるのだろうか。無国籍に関する国際法の役割について批判的に考える。(秋山) |
2 | 07/09 | 日本の児童養護施設における外国につながる子どもたちと国籍 | この授業では、日本の児童養護施設で暮らす(もしくは、暮らしたことのある)外国につながる子どもたちのなかに、国籍の問題を抱える子どもたちがいる(いた)ことを、2017年12月から2018年4月にかけて全国約600カ所の施設に実施した調査結果をもとに分析する。(石井) |
3 | 07/16 | 世界の無国籍者:発生の主要原因と現状及び当事者の多様な考え方 | 世界史上、どこの国の市民でもない人や、身分が曖昧な人は常にいた。絵や写真、ビデオを見ながら、無国籍発生の主要な原因や直面しがちな問題を学び、無国籍であることや国籍取得に関する当事者の多様な意見を知り、個人と国家の関係について考える。(三谷) |
4 | 07/23 | 無国籍とは | この授業では、無国籍に関する基礎的な知識のほか、無国籍者として30年ほど日本に暮らしていた講師の個人的な体験をもとに、無国籍となる原因、無国籍者として生きる上で直面する問題など、国籍とパスポート、そしてアイデンティティの関係について考える。そして無国籍者の視点から現代社会、世界を再考する。(陳) |
ご受講に際して(持物、注意事項)
◆休講が発生した場合の補講は7月30日(土)を予定しています。
講師紹介
- 陳 天璽
- 早稲田大学教授
- 国際政治経済学博士(筑波大学)。ハーバード大学や日本学術振興会(東京大学)研究員、国立民族学博物館准教授を経て現職。著書に『無国籍』(新潮社)、『忘れられた人々 日本の「無国籍」者』(明石書店)、『パスポート学』(北海道大学出版会)。NPO法人無国籍ネットワーク代表理事。
- 石井 香世子
- 立教大学教授
- 1975年生まれ。専門は社会学、東南アジア社会論(タイ)。主著に Ishii K. 2012“The Impact of Ethnic Tourism on Hill Tribes in Thailand,”Annals of Tourism Research, 39(1), Ihii S.K. (eds.)2016 Marriage Migration in Asia, Kyoto University Press/NUS Press.等。
- 三谷 純子
- 早稲田大学講師
- ユニセフNY本部、中国、アフガニスタン、スリランカ、ガーナ等、UNHCRクロアチア、UNTACカンボジアで、主に広報官として勤務。帰国後、子どもの権利や難民移民無国籍等を大学で教えている。NPO法人無国籍ネットワークで法律相談担当。「事実上の長期化無国籍難民にとっての、もう1つの解決法としての留学」『難民研究ジャーナル5号』等。
- 秋山 肇
- 筑波大学助教
- 憲法、国際法、国際政治学、国際機構論の視点から、国内的及び国際的な無国籍への対応を分析している。NPO法人無国籍ネットワーク運営委員。無国籍情報センター事務局長。主著は『日本における無国籍者 ―類型論的調査―』(国連難民高等弁務官駐日事務所、共著)、『インタラクティブゼミナール 新しい多文化社会論:共に拓く共創・協働の時代』(東海大学出版部、共著)。