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ケルト文化と日本 ― 芥川龍之介からフランク・ロイド・ライトまで

  • 冬講座

鶴岡 真弓(多摩美術大学芸術人類学研究所 所長・大学美術館 館長)

曜日 土曜日
時間 10:30~12:00
日程 全2回 ・02月27日 ~ 03月06日
(日程詳細)
02/27, 03/06
コード 740307
定員 90名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 5,940
ビジター価格 受講料 ¥ 6,831

目標

・アイルランドのイェイツ、シング、スコットランドのマクラオドなどが活躍した、19世紀末から20世紀初頭の「ケルト文芸・芸術復興」ムーヴメントは、明治・大正期の日本の文学者や、アメリカの芸術家に大きな影響を与えた。
・今回はその「復興」から再発見された「ケルト的想像力」における「死生観」「自然観」「精霊信仰」などが、いかに日本とケルト文化を繋いだか。文学から建築まで、その再創造のためのインスピレーションを、芥川龍之介と交流した歌人「松村みね子」の随筆や、ケルト系アメリカ人建築家フランク・ロイド・ライトの帝国ホテル設計などを通して解明していく。

講義概要

ヨーロッパ文化の古層「ケルト」の神話伝説は、大正時代に松村みね子たちの翻訳によってわが国に紹介された。アングロ=サクソンの国イギリスでも19世紀には「アーサー王」伝説など、ケルト起原の神話伝説が流布し留学中の夏目漱石もそれに触れた。芥川龍之介は「ケルト神話」を翻訳し、交流のあった歌人・松村みね子は、翻訳と随筆でアイルランド文学の魅力を紹介していた。この大正期に、ケルト系の出自をもつフランク・ロイド・ライトは、古代ケルトの自然崇拝を学びつつ、日本の帝国ホテルの設計に大いなる「自然」をデザインした。こうした近代日本を舞台とした「ケルト系」の想像力を、文学から建築・デザインまでの主題を通して初めて明らかにしていく。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 02/27 ケルト神話・文学と大正期:芥川龍之介と松村みね子の「アイルランド」 芥川龍之介と精神的な交流があった歌人・随筆家の「松村みね子」のエッセイ集『灯火節』には、アイルランドの「季節祭」が日本人の季節感と響き合うかたちで綴られていることで有名である。ヨーロッパの遠い島国は、みね子のなかでは、親しみある憧れの島であり、シングの描く「アラン島」やイェイツの描く「螺旋」の思想への共感が表現された奇跡を、講師撮影の風景写真とともに辿り、ケルトの「自然観」がなぜ、近代日本人や欧米人に共感を呼んだのかを読み解いていく。
2 03/06 ケルト系の建築家の「自然観」:フランク・ロイド・ライトと「帝国ホテル」 ケルトの自然観は、近現代のアメリカでも、その移民の歴史によって根付いている。日本にその建築設計の金字塔を遺した巨匠フランク・ロイド・ライトは、ケルト系ウェールズ人の血筋をもち、自伝には自らの出自をケルトの祭司「ドルイド」と記すほど、古代のケルトの自然観を「思想」としていた。その代表作「帝国ホテル」の空間や家具の設計には、ケルト神話の神「タリアセン」への思いが投影されていた。その特異な「自伝」と、関東大震災から「復興」したホテルの細部に「ケルト」を読み解く。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆休講が発生した場合の補講は、3月13日(土)を予定しております。
◆Zoomウェビナーを使用したオンライン講座です。

講師紹介

鶴岡 真弓
多摩美術大学芸術人類学研究所 所長・大学美術館 館長
1952年生。早大大学院修了。ケルト芸術文化研究。『ケルト / 装飾的思考』『ケルト美術』(筑摩学芸文庫)『芸術人類学講義』(編)(ちくま新書)、『ケルトの想像力』(青土社)、『装飾する魂』『ケルトの魂』『京都異国遺産』(平凡社)、『ケルトの歴史』(共著・河出書房新社)、ミーハン『ケルズの書』(訳・岩波書店) 等著訳書多数。『ケルト再生の思想』(ちくま新書)で河合隼雄学芸賞受賞。

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