ジャンル 日本の歴史と文化

早稲田校

都市鉄道の技術社会史 戦前東京の鉄道史からみる近現代日本の特質

  • 春講座

高嶋 修一(青山学院大学教授)

曜日 土曜日
時間 13:00~16:15 ※途中休憩をはさみます
日程 全4回 ・05月16日 ~ 06月06日
(日程詳細)
05/16, 05/23, 05/30, 06/06
コード 110256
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 23,760
ビジター価格 受講料 ¥ 27,324

目標

・日本近現代史には多様なアプローチがあることを理解する。
・小さな事柄であっても、大きなテーマに結びつけて考えることができることを理解する。
・現代社会が高度にシステム化されたものであり、私たちはその一環に組み込まれている可能性について気づきを得る。

講義概要

日本の大都市における通勤は「痛勤」としばしば言われるほどの大混雑が日常化しています。1日2時間を通勤に費やすとして12年勤めれば通勤時間はまる1年になり、一般的なサラリーマンは定年までに約3年を満員電車のなかで過ごす計算になります。これは18世紀に大西洋を渡った奴隷船よりも人口密度が高い空間で、当時の奴隷よりもはるかに長い時間を生きていることになります。なぜこのようなことになったのでしょうか。その理由の一端を戦前東京の鉄道史から考え、近現代日本社会の特質を探ってみたいと思います。
無料体験会授業動画URL:https://www.youtube.com/watch?v=5EesfXKpykE

各回の講義予定

日程 講座内容
1 05/16 明治東京の都市交通機関―馬車鉄道から市街電車へ― 本講義の問題関心を説明したのち、明治期の東京における馬車鉄道を題材に「技術」とは何かを考えます。
2 05/23 都市化の進展と大量輸送の幕開け 20世紀初頭の東京では市街電車の敷設権をめぐって政治的な対立が生じましたが、それは表面的には技術選択をめぐる対立という形をとりました。そのプロセスを見ることで技術選択の政治性について確認します。次に、市街電車の開業によってそれを利用する人びとの行動様式や意識にどのような変化が生じたのかを見ていきます。
3 05/30 都市計画と「高速鉄道」 両大戦間期には都市化がますます進展し、それに対応した新しい交通機関である高速鉄道(省線電車や地下鉄、郊外私鉄)が登場しました。また、膨張する都市をコントロールする技術として「都市計画」が導入され、高速鉄道の整備はその中に位置づけられていきます。都市計画は単なる市街地整備のあり方を決めるだけでなく、社会のあり方をも規定する「社会技術」としての性格を持っていました。
4 06/06 戦時の交通調整と戦後の展望 都市計画に基づいて高速鉄道を含むインフラ整備を進めるに際して、ネックとなったのは資金でした。結果として日本では最小限の投資による市街地整備がすすめられ、ハードウェアの不足は人びとの行動様式や物の考え方といったソフトウェアのコントロールで補われることになりました。それがよく表れていたのが戦時中の交通調整でしたが、基本的な特質は戦後の高度成長期にも引き継がれることになります。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆各回の講義内容は進行スピードに応じて多少変更の可能性があります。
◆補講は6月20日を予定しています。

テキスト

テキスト
高嶋修一『都市鉄道の技術社会史』(山川出版社)(ISBN:978-4634591097)

講師紹介

高嶋 修一
青山学院大学教授
近現代日本の都市史や交通史について研究しています。両大戦間期における社会の「現代」化について考えており、いずれかといえば生産よりは消費や生活の領域、またその背後にある思想に強い関心を抱いています。主著は『都市近郊の耕地整理と地域社会』、『都市鉄道の技術社会史』。
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