ジャンル 芸術の世界

八丁堀校

都市を装飾する ― 公共彫刻の150年

  • 春講座

木下 直之(静岡県立美術館館長)

曜日 木曜日
時間 15:00~16:30
日程 全5回 ・04月25日 ~ 05月30日
(日程詳細)
04/25, 05/09, 05/16, 05/23, 05/30
コード 210406
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 14,580
ビジター価格 受講料 ¥ 16,767

目標

・明治以降の日本の都市デザインの変貌をたどりながら、そこに置かれた公共彫刻がどのような役割を果したかについて理解を深める。

講義概要

明治維新にわずかに遅れて出現した銅像が近代化する都市をどのように装飾したかをたどる。明治末には、すでに東京は銅像だらけになったと言われる。個人を顕彰する銅像、とりわけ軍人像は敗戦を機に退場し、代わって匿名の裸体像、ついで抽象彫刻が登場する。公共空間と公共彫刻の新たな関係が生まれた。彫刻のある町づくりはこの産物だ。しかし、それも色褪せ、現代では置物よりも携帯されるもの、ゆるキャラのように動き回るものが台頭している。インターネットが公共空間の在り方を変えたことをも視野に収め、150年の公共彫刻の歴史を振り返る。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 04/25 江戸から東京へ、銅像の出現 江戸と東京の決定的な違いは交通の自由にある。そのことにより町並みが変わり、景観が変わり、公共空間の在り方が変わり、公園が生まれた。都市を装飾すべきものとして銅像が登場する。彦根藩主井伊直弼の銅像を手掛かりに考える。
2 05/09 帝都東京と銅像の時代 20世紀を迎えてからの東京は、1923年の関東大震災による挫折を経ながらも、「帝都」と呼ぶにふさわしい都市景観をつくり出した。その要所要所に、銅像が林立した。陸軍大将の西郷隆盛の銅像を手掛かりに考える。
3 05/16 敗戦をめぐる軍人像と裸体像の交代劇 1945年の空襲で東京は壊滅し、そこから新たなデザインの都市として復興した。戦前の軍人像は退場し、平和や愛をうたう匿名の裸体像が登場する。この交代劇がどのように行われたのかを、三宅坂の陸軍大将の寺内正毅の銅像と三美神の銅像を手掛かりに考える。
4 05/23 駅前彫刻と彫刻のある町づくり 高度経済成長と自動車社会の到来は、東京のみならず、地方都市の姿を激変させた。駅前に抽象彫刻が登場し、さらにいくつかの都市では、彫刻のある町づくりが展開する。それはやがて「彫刻公害」という言葉を生むほどに一般化した。その功罪を問う。
5 05/30 ゆるキャラ、ケータイの台頭 公共彫刻にかぎらず、世の中から「置物」が姿を消しつつある。たとえば家の中から床の間がなくなり、ゆえに置いて飾るものが不要となった。すなわち置くものよりも携帯するものが主流になった。銅像に代わるゆるキャラの活躍とはこの流れの中にある。背景には、インターネットが生み出した新たな公共空間があるはずだ。

テキスト・参考図書

参考図書
『銅像時代 ― もうひとつの日本彫刻史』(岩波書店)(ISBN:978-4000259620)

講師紹介

木下 直之
静岡県立美術館館長
1954年浜松市生まれ。東京藝術大学大学院中退、兵庫県立近代美術館学芸員、東京大学総合研究博物館助教授、東京大学教授を経て静岡県立美術館館長。見世物、祭り、銅像、博物館、動物園、城、戦争などを通して日本の近代について考えてきた。著書に『銅像時代』、『動物園巡礼』など。2015年春、紫綬褒章受章。
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