ジャンル 日本の歴史と文化

早稲田校

日本の政治:その生態と思考 丸山眞男による分析を手がかりに

  • 冬講座

堀 真清(早稲田大学名誉教授)

曜日 月・木曜日
時間 14:45~18:00 ※途中休憩を挟みます
日程 全2回 ・01月21日 ~ 01月24日
(日程詳細)
01/21, 01/24
コード 140208
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 11,664
ビジター価格 受講料 ¥ 13,413

目標

・傑出した学者、斯界最高峰などと称される丸山眞男の業績を通じて政治学を身近な、かつ切実な学問とご理解いただくこと
・政治の世界をとらえる方法は多様であるが、政治学は歴史学などの素養とあいまってその中心をなすことをご理解いただくこと

講義概要

日本の政治とその思考方法について考えるとき歴史学者にして政治学者の丸山眞男の業績は注目にあたいします。現実の政治の世界をどのようにとらえるか、各人各様のアプローチがありましょうが、過去の事象を理解し事柄を原理的に考察することは必須です。丸山は近代史への蓄積と政治学の素養をいかんなくその言論活動のうえに発揮しました。丸山はじつに読ませる書き手であるばかりか根底的思索に富んだすぐれた学者であり、その遺産を検討し継承することは、眼前の状況に対処しようとする私たちを鼓舞してやまないと考えます。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 01/21   1)科学としての政治学・権力批判としての政治学
国家のための学問、権力者の侍女としての学問は、はたして政治学といえるのかどうか?国家学とは区別さるべき政治の学について検討すると、わが国における政治学の不妊性はそもそも明治以後の政治構造によるものでした。こうした制約のもとにあった政治への学問的取り組みは、どのようにして市民のための政治学となりえるのか。そもそも政治学とはどのような学問なのか。この模索の跡を丸山眞男とその先達の大山郁夫を例に考えます。

2)政治的無関心・政治的判断・権力と道徳
特定の党派や人物に忠誠心をささげる人々にもまして政治・政治家に失望しているひとびとが多いことは周知の事実ですが、このような状況はなぜ生まれたのでしょうか。それは政治状況の複雑さにも由りますが、権力(権力悪)の特性に起因することが大です。一体権力とは?またそれは倫理とはいかなる関係にたつのか。このような問いかけをしつつ失望から政治への関心の回復をめざすには自立した政治判断が要請されます。
2 01/24   1)超国家主義と無責任の構造
日本の国家主義はその極端さのゆえに超国家主義(ウルトラ・ナショナリズム)などと評されていますが、この日本人を呪縛したものの生態を解明した先駆者は丸山であり、社会のしくみと国民の精神構造の特徴について多大な示唆をあたえてくれました。国家といえばなにものをも圧倒する雰囲気はすべて過去のことがらなのでしょうか。事大主義や権威主義や健忘症、はたまた軍(私物命令)や行政機構における忖度の問題にも関説します。

2)歴史学と政治学の融合としての日本ファシズム分析
丸山の業績で顕著なもののひとつは戦前における日本のファシズムの理論と運動の概括的研究です。これは日本に限りませんが、民主主義が後退して国民のあいだに失望が色濃くなるとき、ファシズムが現状(支配のありよう)を打破するかのごとくあらわれ、あるいは現状維持の側によって選択され、さらにはその合体として登場したことは明らかですが、この経緯は政治の貧困(政治家の無責任)が存在するかぎり検討を要するのではないでしょうか。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆補講は1月24日を予定しています

備考

1月23日は休講となります。補講は1月24日に行います。

テキスト・参考図書

テキスト
『丸山眞男 岩波文庫 超国家主義の論理と心理 他八篇』(岩波書店)(ISBN:978-4-00-381043-9)
『丸山眞男 岩波文庫 政治の世界 他十篇』(岩波書店)(ISBN:978-4-00-381042-2)
参考図書
『堀真清 大山郁夫と日本デモクラシーの系譜―国家学から社会の政治学へ』(岩波書店)(ISBN:978-4-00-022417-8)
『堀真清 西田税と日本ファシズム運動』(岩波書店)(ISBN:978-4-00-024251-6)※ご希望の方には初回講義日に販売いたします(4,000円)

講師紹介

堀 真清
早稲田大学名誉教授
早稲田大学名誉教授。同大学政経学部・大学院政治学研究科教授(日本政治史担当)、ケンブリッジ大学客員教授など歴任。 著書に『大山郁夫と日本デモクラシーの系譜』(岩波書店)『西田税と日本ファシズム運動』(岩波書店)『原典でよむ日本デモクラシー論集』(岩波書店)『近代日本の国家政治』(早大出版部)など。
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