ジャンル 日本の歴史と文化

中野校

和解学序章 ― 東アジアの歴史空間と日本帝国の誕生

  • 夏講座

浅野 豊美(早稲田大学教授)

曜日 水曜日
時間 10:30~12:00
日程 全3回 ・07月17日 ~ 07月31日
(日程詳細)
07/17, 07/24, 07/31
コード 320211
定員 24名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 8,748
ビジター価格 受講料 ¥ 10,060

目標

・東アジアという「歴史空間」を把握する。
・現在の日本の政治外交を、国益や国内外の政治情勢だけでなく、国民的な「規範と記憶」から考える。
・「近代日本の歴史体験」から日本のナショナリズムをとらえる。

講義概要

東アジアの歴史空間では、民主化が進むにつれ、被害者の救済が新たな紛争となって、歴史問題が生まれています。たとえば日本からみれば韓国は「被害者という立場を政治的に利用する国」、韓国からすると日本は「加害者としての責任を受け止められない国」と映り、互いの国民感情の対立や摩擦を増幅させるという悪循環に陥っています。
和解学は、一言で言えば東アジアと言う歴史空間を踏まえて、欧米で生まれた紛争解決学を発展的に継承せんとする問題意識から生まれました。具体的には、国民同士の不信感が悪循環する現在の構造の原因が、どのような歴史に由来しているのかを理性的に、国際的な枠組みの中で把握し、そのことにより人権や民主主義、そして平和という普遍的な価値を共に支えることを目指そうとする学問です。平和学が冷戦の時代、国家間の平和を目指したように、冷戦後の今、企業や市民団体を含めた社会的な次元から紛争を構造的にとらえ、さらに個人の中にある様々な価値に由来する分裂や葛藤を見つめてそれを新しい関係の中に変えていくことが求められています。
この授業では、東アジアで、「君臣・家格・身分・性によって差別化された伝統社会」が、「国民・個人・主権」等の規範に代わり、それがどのように受容され、世代を渡って受け継がれてきたのかを考えます。
そして「日本人」や「韓国人」「中国人」という国民意識が、いかに近代において誕生し編成されていったのか、開国、対外膨張、百姓・町人達の国民化政策、大日本帝国憲法、日露戦争、韓国併合から大陸侵攻へと続く、一連の事象をたどりながら、「和解への道」を考えます。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 07/17 四つの開国と規範としてのキリスト教・文明・平和民主主義 視点の提示(コントロール可能性、国際標準への適応、周辺地域・日本・列強)、16世紀の開国と19世紀の開国の違い、平和的な鎖国による幕藩体制、文明を志向した開国、国内政治と対外拡張力学
2 07/24 19世紀の開国と東アジアの歴史空間 廃藩と士族層の転換と対外膨張、百姓・町人達の国民化政策、帝国的民主主義・対外拡張主義と民権派
3 07/31 東アジア歴史空間の拡大と変容 ― 大衆化と韓国併合 憲法体制の導入、日露戦後の大衆化、日露戦後処理としての韓国保護、保護の延長ではない「失敗」としての併合、日中関係緊張の基盤としての大陸権益

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆授業では、毎回、感想・質問を書いていただき、資料読解の上に隣の人と語り合っていただきます。それはお互いを知る機会にもなるかと思います。その点、ご理解いただきご参加ください。

テキスト・参考図書

テキスト
『日本の歴史(25) 日本はどこへ行くのか』(講談社学術文庫)(ISBN:978-4062919258)
参考図書
『帝国日本の植民地法制』(名古屋大学出版会)(ISBN:978-4815805852)

講師紹介

浅野 豊美
早稲田大学教授
1964年福島県生まれ。東京大学教養学部卒業後、同大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術・国際社会学)。専門分野は東アジア国際関係史、日本政治外交史、国際関係論。著書に『帝国日本の植民地法制 ― 法域統合と帝国秩序』(名古屋大学出版会)、『南洋群島と帝国・国際秩序』(慈学社出版)などがある。
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