ジャンル 人間の探求

早稲田校

武道と武士道 人間を考える

  • 冬講座

志々田 文明(早稲田大学教授)

曜日 木曜日
時間 13:00~14:30
日程 全4回 ・01月10日 ~ 01月31日
(日程詳細)
01/10, 01/17, 01/24, 01/31
コード 140516
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 11,664
ビジター価格 受講料 ¥ 13,413

目標

・日本武道の独自性を理解する。
・武士道の思想とその展開、および武術・武道との関係を理解する。
・スポーツとの対比で日本文化としての武道に対する理解を深める。

講義概要

明治時代中期、新渡戸稲造は英文で『武士道』をあらわし、副題に「日本の魂」と名づけました。武士道は、武士階級のノーブレス・オブリージェ(身分に伴う義務)とする武士の掟であるとして美化したのです。しかし実際の武士はそのような心性をもつ一方、つわもの(兵)として武術・武芸を訓練し、戦においては武略(謀略)も嘘も裏切りも行いました。その武術は戦乱が収まる時代になると理論的に進化をします。さらに明治以降には己の完成のための武術修行の「道」として倫理的性格を伴う武道になっていきます。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 01/10 人間にとっての武術と武士道 人類の誕生と武術とは密接な関係があります。それは人類が他の動物のなかで生き残るために石鏃などの道具が必要だったからです。武術は共同体同士の戦いのなかでも、また土地と人々を統治するためにも必須でした。日本の古代につわものと呼ばれる人々が現れ、やがて武士へと成長して、後世に武士道と呼ばれる倫理規範を生み出します。しかしそれは武士道は暴力としての一面をもっていました。
2 01/17 「術」から「道」へ・・・「人を活かす剣」と「空」の境地 長く人々を苦しめた戦国時代が終わり、平和の到来を感じさせる江戸時代の初めに、剣豪・柳生宗矩は、武士の国内統治を前提に、これからは殺傷のための剣術ではなく、人を活かす剣の時代であるとのメッセージを発しました。もう一人の剣豪・宮本武蔵は実戦において実用性をともなう剣術修行に徹することを主張する一方、「空」の境地に至ったことを示唆しています。
3 01/24 「術」から「道」へ(2)・・・「道」としての武道 江戸時代、武士道は儒教道徳を基盤に「士道」として武士社会に浸透します。戦においては武術的実力とあいまって武勇と武威が何より必要です。その一端は江戸時代に山鹿素行の、相手を敬うこと(武士道)は護身術(武術)でもある、とする思想に見ることができます。明治時代に至り、嘉納治五郎は柔術を柔道に改称した講道館柔道(今日の柔道)を創始し、道の意味を発展させます。
4 01/31 人生に活かす武道と武士道 明治5年に日本に伝わったベースボール(野球)は学生の間で普及し、瞬く間に全国に広まります。今日のようなスポーツの時代の始まりでした。実用性を本性とする剣術や柔術と、実用性を昇華して技術性のみを競うスポーツとでは大きく異なります。しかし試合を行うことによる競技性で共通することから、大正期以降、武道はスポーツの影響を強く受けました。戦後もその流れは加速しますが、競技で勝つことではなく、「道」と深遠な技を学びたいとする考えもあります。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆補講は2月7日を予定しております。

テキスト・参考図書

参考図書
『戦場の精神史:武士道という幻影』(NHKブックス)(ISBN:978-4140019986)
『武道論』(大修館書店)(ISBN:978-4469262155)
『武士道』(岩波文庫)(ISBN:978-4003311813)
『五輪書』(岩波文庫)(ISBN:978-4003300213)
『近代日本の武道論ー<武道のスポーツ化>問題の誕生』(国書刊行会)(ISBN:978-4336061584)

講師紹介

志々田 文明
早稲田大学教授
早稲田大学第一文学部(哲学専攻)卒。高等学校教諭を経て筑波大学大学院に進学し、修士号を取得。早大人間科学部(スポーツ科学科)奉職後、1996年教授。2003年博士号。2006年『武道の教育力:満州国・建国大学における武道教育』でスポーツ史学会学会賞。国際学術誌「Archives of Budo」編集員。
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