ジャンル 世界を知る

中野校

アラビアの考古学 ― 香料の道、巡礼の道

  • 秋講座
  • 資料配付

長谷川 奏(早稲田大学客員教授)

曜日 木曜日
時間 15:00~16:30
日程 全5回 ・11月15日 ~ 12月13日
(日程詳細)
11/15, 11/22, 11/29, 12/06, 12/13
コード 330317
定員 24名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 14,580
ビジター価格 受講料 ¥ 16,767

目標

中東の考古学では、肥沃な三日月地帯で形成されたエジプト文明やメソポタミア文明のみに焦点が当てられがちであるが、本講義ではその両者にはさまれた〈アラビア〉の歴史と文化の意義を考える。

講義概要

アラビアは、肥沃な三日月地帯の外側ともいえる位置にあったが、紀元前1千年紀から独創的な文化が芽生え始め、やがて砂漠の道と海の道を取り結んだいわゆる「香料の道」が洋の東西を結びつける重要な働きをした。またイスラームが勃興してからは、「巡礼の道」を通って多くのヒトやモノがいきかった。本講義では、そうした歴史のダイナミズムを考古学的な観点から考えていく。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 11/15 序説&アラビア半島の自然 ― 砂漠、山脈、海洋 本講座の狙いを述べ、序説として自然環境を解説する。アラビアの大部分では、砂漠に囲まれた厳しい自然が広がり、遊牧の民が暮らす。また西部には高い山脈が走り、紅海とアラビア海の二つの海を擁したことが、独自性の高い文化を育む舞台に導いた点を論じる。
2 11/22 オリエントの強国のはざま ― 肥沃な三日月地帯の陰 アラビアは、文明の形成期以降、エジプトとメソポタミアの強国のはざまに置かれ、パレスティナに拠点を置くセム系の言語を話す集団とと深く関わったことが、アラビアにおける文字社会の成立と豊かな文化を生み出していく基盤となっていった点を学ぶ。
3 11/29 香料の道 ― 陸と海のシルクロードを通った物産 前1千年紀の南アラビアには、乳香の取引で財をなしたシェバ王国が現れ、ヘレニズム時代には、陸と海のシルクロードによって洋の東西を結びつける広域経済圏が形成されたインパクトを、『エリュトラー海案内記』等の史料と考古学資料を通して触れる。
4 12/06 巡礼の道 ― イスラームの移動ネットワークの形成 7世紀の半ばにアラビア半島から興ったイスラームは、さまざまな国際商業の軸を作りながらも、11世紀にはアフリカからアジアまでを結びつける広大なネットワークを創り出した点を、メッカ・メディナ等の歴史遺産の紹介と旅行記の双方から探っていく。
5 12/13 サウジアラビア王国の登場 ― 開発と保存をめぐる考古学 17世紀頃からイスラームと西欧の力の逆転現象が起きるが、サウジアラビア王国の登場はそうした時代を象徴するトピックである。さらに一大エネルギー大国の時代から、石油に依存した社会から脱却する社会をめざす同国の戦略を、開発と保存の視点から考える。

テキスト・参考図書

参考図書
『シェバの女王 ― 伝説の変容と歴史との交錯』(山川出版社)(ISBN:978-4634491939)蔀勇造 著
『 エリュトラー海案内記(1)(2)』(平凡社 東洋文庫)蔀勇造 訳註
『アラビア文化の遺産』(みすず書房)(ISBN:978-4622005759)ジクリト・フンケ 著
『イブン・バットゥータの世界大旅行 ― 14世紀イスラームの時空を生きる』(平凡社新書)(ISBN:978-4582851991)家島彦一 著
『 アラビア・ノート 』(ちくま学芸文庫)(ISBN:978-4480087263)片倉もとこ 著
『サウジアラビア ― 変わりゆく石油王国』(岩波新書)(ISBN:978-4004309642)保坂修司 著

講師紹介

長谷川 奏
早稲田大学客員教授
1958年愛知県生まれ。考古学者。専門は古代末期〜初期イスラーム時代の物質文化研究。早稲田大学総合研究機構客員教授、文学博士。著書に『初期イスラーム文化形成論―エジプトにおける技術伝統の終焉と創造』(中央公論美術出版)、『地中海文明史の考古学―エジプト・物質文化研究の試み』(彩流社)等がある。
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