ジャンル 文学の心

早稲田校

近代文藝の百年 文豪の肖像

  • 秋講座
  • オムニバス
  • 資料配付

中島 国彦(早稲田大学名誉教授)
山田 俊治(横浜市立大学名誉教授)
宗像 和重(早稲田大学教授)
木谷 喜美枝(和洋女子大学名誉教授)
吉田 昌志(昭和女子大学教授)
金井 景子(早稲田大学教授)
岩佐 壮四郎(関東学院大学名誉教授)
井上 優(早稲田大学講師)

曜日 土曜日
時間 13:00~14:30
日程 全8回 ・09月29日 ~ 12月01日
(日程詳細)
09/29, 10/06, 10/13, 10/20, 11/10, 11/17, 11/24, 12/01
コード 130103
定員 40名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 23,328
ビジター価格 受講料 ¥ 26,827

目標

・近代文藝成立から百年余り、その豊饒な文学世界に眼を向けつつ、新しい角度でその遺産を検討していきます。
・作家と時代との有機的なつながりに注意していきます。
・隠れた名作にも、積極的に眼を向けていきます。

講義概要

これまで秋学期では、文学者ゆかりの場所に目を向けた構成を試みましたが、この秋学期からは、日本の近代文学を支えた代表的な文学者を、一人1回ずつで取り上げ、その多彩な肖像を紹介していきます。今年度は、明治初期から明治末までに活躍した文学者が多く登場しますが、次第に新しい時代の文学者にも登場して貰う予定です。それぞれの個性が、時代の中でどう活躍したかに注目していってもらえればと思います。(企画・中島国彦早稲田大学名誉教授)

各回の講義予定

日程 講座内容
1 09/29 福地桜痴―明治を書く― 福地桜痴(源一郎)は政府の御用新聞記者として見なされてきたが、長崎生れの通辞として幕臣に加わるほど文学に秀で、その生涯を通じて書くことを手放さなかった文学者として評価できるのである。少年時代から父の教えを書き留め、維新期には「江湖新聞」で筆禍に遭い、「東京日日新聞」の社説で輿論を喚起し、退社後は歌舞伎脚本、小説、歴史評論などに健筆を揮っていた。そこで、書くという視点から福地を見直してみようと思う。(山田 俊治)
2 10/06 坪内逍遥―『小説神髄』と『当世書生気質』のあいだ― よく知られているように、日本の近代文学は、坪内逍遥の評論『小説神髄』(明治18〜19年)によって先鞭をつけられた。「小説の主脳は人情なり」と述べて、人間の内面を写実的に描くことを提唱した逍遥が、その実践として手がけた小説が『当世書生気質』(明治18〜19年)であった。出発期の逍遥の果敢な試みと、その後の足跡を通して、逍遥が近代文学の草創期に果たした役割を再考したい。(宗像 和重)
3 10/13 尾崎紅葉―硯友社の「ちから」― 明治18年は硯友社結成、その機関誌『我楽多文庫』創刊により、日本近代文学が出発した年として特記される。その領袖尾崎紅葉はわずか19年の作家生活で明治36年に病歿。この間、『読売新聞』に「三人妻」「多情多恨」「金色夜叉」を発表し、泉鏡花を初め大勢の作家を輩出し、大正初年には明治文学の筆頭に位置づけられた。しかし、現今紅葉文学は忘れられがちな存在である。では、明治時代にどのような「ちから」を持っていたのか、それがどうして失われたのか。紅葉及び硯友社文学の再評価を考えてみたい。(木谷 喜美枝)
4 10/20 泉鏡花―「草迷宮」の世界― 泉鏡花は、明治、大正、昭和の三代にわたって旺盛な創作活動を展開した近代日本の浪漫主義の代表作家ですが、その66年の生涯のうちの3年半余り(明38・1905-明42・1909)、逗子に滞在していたことがありました。あたかも自然主義が文壇を覆っていたこの時期に、鏡花は東京を離れてどのような作品を書いていたのか。いわゆる「逗子もの」の代表作、今からちょうど110年前に発表された「草迷宮」を中心に、鏡花世界の豊かさを探ってみます。(吉田 昌志)
5 11/10 樋口一葉―奈津が一葉になる時― 文学少女・樋口奈津は、いつ、作家・樋口一葉になったのかについて、日記や作品から読み解いていきます。学び舎である私塾・萩の舎と、気鋭の文学青年たちが集う雑誌『文学界』での交流など、彼女が培った文学的なリテラシーについても探究します。(金井 景子)
6 11/17 正岡子規―その写生文の目指したもの― 俳句と短歌の革新を達成した子規は、次に文章の革新を試みる。いわゆる「写生文」の提唱である。その動きは、「ホトトギス」に集う多くの文学者に影響を与えた。そうした試みは、子規晩年の随筆の世界にもつながる。ここでは代表的な写生文をいくつか分析しながら、子規が目指したものが何であるか考えてみたい。(中島 国彦)
7 11/24 島村抱月―その生涯と仕事― 島村抱月(1871-1918)は、『早稲田文学』に拠って日本自然主義の文学運動を理論的に担った文芸批評家として、また、女優松井須磨子と共に日本近代劇のムーブメントを推進した演劇指導者として知られている。この講座では、近代日本の文学や演劇を考えるうえで、無視することのできない仕事を残した抱月の足跡を、愛人でもあった松井須磨子をめぐるエピソードも織りまぜて辿っていきたい。(岩佐 壮四郎)
8 12/01 森鷗外―『カズイスチカ』における存在と認識― 明治44年発表の小説『カズイスチカ』は、タイトルが示すように主人公の医学士花房の臨床記録が語られている。同年発表の『妄想』の中で、医学は「自然科学のうちで最も自然科学」らしい「exactな学問」と言及されるが、近代科学は自然/人間、客体/主体、客観/主観、物質/精神といった二元論の枠組みに支えられてきた。しかし、『カズイスチカ』は存在とその認識をめぐり、そうした枠組みに収まらない発想が見られるようだ。それはいかなるものかを読み解きつつ、近代と鷗外文学との関係性を考えてみたい。(井上 優)

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆各回担当講師・担当回・各回講義内容は変更となる場合がございます。

講師紹介

中島 国彦
早稲田大学名誉教授
1946年、東京都生まれ。早稲田大学大学院博士課程修了、博士(文学)。公益財団法人日本近代文学館専務理事。日本近代文学専攻。著書『近代文学にみる感受性』(筑摩書房)、『夏目漱石の手紙』(共著、大修館書店)、『漱石の愛した絵はがき』(共編、岩波書店)、『漱石の地図帳』(大修館書店)など。
山田 俊治
横浜市立大学名誉教授
1950年生まれ。早稲田大学教育学部卒。同大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。日本近代文学専攻。著書に『有島武郎〈作家〉の生成』、『大衆新聞がつくる明治の〈日本〉』などがある。
宗像 和重
早稲田大学教授
1953年福島県生まれ。早稲田大学大学院文学研究科日本文学専攻後期課程満期退学。現在、早稲田大学文学学術院。専攻は日本近代文学。著書に『投書家時代の森鷗外』(岩波書店)など。
木谷 喜美枝
和洋女子大学名誉教授
1945年山口県生まれ。日本女子大学大学院文学研究科(修士課程)修了後同大学助手を経て和洋女子大学専任講師となり2015年退職(名誉教授)。専門分野は近代文学。『尾崎紅葉の研究』(双文社出版)、『樋口一葉と十三人の男たち』(監修・青春出版)等。
吉田 昌志
昭和女子大学教授
1955年長野県生まれ。青山学院大学大学院文学研究科博士課程単位取得満期退学。専門分野は日本近代文学。泉鏡花を中心とする浪漫主義の研究を進めており、著書に『泉鏡花素描』(和泉書院)等がある。
金井 景子
早稲田大学教授
1957年大阪生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程満期退学。亜細亜大学を経て現職に至る。専門分野は、日本近現代文学、ジェンダー論、音声言語教育(朗読)。著書に『真夜中の彼女たち―書く女の近代―』(筑摩書房)、『ジェンダー・フリー素材の試み―「国語」にできること―』(学文社)などがある。
岩佐 壮四郎
関東学院大学名誉教授
1946年島根県生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程満期退学。博士(文学)。専門分野は日本近代文学。専門分野の研究・講義のほかに、雑誌では演劇時評も担当してきた。著書に『抱月のベル・エポック』(大修館書店、サントリー学芸賞受賞)、『日本近代文学の断面』(彩流社)などがある。
井上 優
早稲田大学講師
1967年新潟県生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。専門は日本近代文学。著書に『森鷗外論集 彼より始まる』(共著、新典社)、『認知物語論の臨界領域』(共著、ひつじ書房)、『森鷗外「舞姫」を読む』(共著、勉誠出版)。
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