ジャンル 世界を知る

中野校

ヒトラーのデザイン カギ十字の成り立ち、ユダヤ人に対するヘイト・ポスター、ナチス映画などについて語る

  • 夏講座
  • 夜間

松田 行正(グラフィック・デザイナー)

曜日 木曜日
時間 19:00~20:30
日程 全3回 ・07月12日 ~ 07月26日
(日程詳細)
07/12, 07/19, 07/26
コード 320305
定員 24名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 8,748
ビジター価格 受講料 ¥ 10,060

目標

・記号の帝国とも呼ばれたナチスの、カギ十字も含めた数々のデザインが果たした役割を知る。
・ナチス映画をより深く理解するための見方を知る。

講義概要

ヒトラー率いるナチスが、なぜあれほどの権力を獲得し、多くの人々を従わせることができたのか。大きな要因として、第一次世界大戦後、連合国から課された多額の賠償金などで疲弊し、鬱屈したドイツの社会状況を背景に、敵をつくって内部を固めるという、昔から行われてきた常套手段を用いてドイツ人の心の隙間に巧妙に入り込んだことが挙げられます。それを進める手段として、シンボルとしてのカギ十字、ルーン文字に由来する多くの記号群、シンボルカラーとしての赤など、デザインを重視し活用しました。これらのデザインが強烈なヴィジュアル・イメージとして人々に喝采と恐怖をもたらしたのです。
そのデザイン戦略は、過去の成功体験のある伝統的なものを借用し、それらにモダニズム的な味付けをほどこして、「古さ」を兼ね備えた「新しさ」を提示することでした。語義矛盾になりますが、「懐かしい新しさ」です。
また、建築好きなヒトラーは、お抱え建築家のシュペーアが唱えた「廃墟価値の理論」(古代ローマやギリシャのように廃墟となっても美しい)に賛同し、第三帝国が後世に廃墟となっても光り輝いていることを夢想しました。しかし、そんな夢想もわずか12年で崩壊してしまいます。多くのナチス建築は破壊され、廃墟すらなくなりました。
ただし、ナチスは、悪業とデザインによるヴィジュアル・イメージが増幅したことで歴史に強烈な記憶を残しました。それが証拠に、今現在もヒトラー・ナチスを扱った映画がたくさんつくられ続けています。ヴィジュアルを重視してきたナチスは映画向きだったからです。このことは、滅んでも人々の記憶のなかに生き続ける、という意味で、あたかも「廃墟価値の理論」が成功したかのような印象を受けます。
この講義では、ナチスがつくった、カギ十字を中心としたデザインがどのようにつくられ、国中を蔽っていったかを、キリスト教の十字の伝播の仕方と対比しつつ検証します。また、たくさんのナチス映画を参照してナチス映画の新たな楽しみ方を学びます。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 07/12 キリスト教の十字とハーケンクロイツの歴史  
2 07/19 ナチスによるユダヤ人差別を目論んだヘイト・ポスター  
3 07/26 ナチス映画の見どころ  

テキスト・参考図書

参考図書
『RED ヒトラーのデザイン』(左右社)(ISBN:978-4865281767)

講師紹介

松田 行正
グラフィック・デザイナー
書籍を中心に、シンプルで力強いデザインをめざしているグラフィック・デザイナー。「オブジェとしての本」を掲げるミニ出版社牛若丸主宰。『眼の冒険』(紀伊國屋書店)で第37回講談社出版文化賞ブックデザイン賞受賞など、受賞歴多数。著書多数。
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